シングルファーザーとして息子を育ててきたジョン
しかし、余命僅かとわかり息子のために里親を探すことに
多くの里親と出会うもジョンは決めきれずにいた
鑑賞日 2023年4月27日
映画館 キネマ館
親の役割と言えば子の成長を見守ること。
だからこそ親は子を慈しみ育てる・・もちろんそれが全てではありませんが。
本作は余命僅かなシングルファーザーが残される息子のために里親を探す話。
「おみおくりの作法」の監督の最新作なのですが、実話を題材にした作品となっています。
本作のポイントは息子のために。
窓ふきの仕事を行いつつ男手一つで息子のマイケルを育ててきたジョン。
しかし、自分が末期がんと分かり、残されるマイケルのために里親を探すことに。
だが多くの里親と会うもマイケルに会う里親か判断に悩むことに。
一方、日に日に体力が落ちていくことに焦りも募り始めていた。
果たしてジョンは息子のために里親を見つけることができるのか?
当のマイケル君は4歳の子どもにしては基本的に良い子。
母親はマイケルを生んで半年後にいなくなったとの事なのでジョンが必死に育ててきたということが分かるものとなっています。
もっとも、バリバリ入れ墨が入っているのでいったいどのような生い立ちだったのかが気になるところですが・・
見どころは中盤、バランス感覚。
子どもの遊びでおなじみの線歩き。
引かれた線を踏み外さないように歩く遊びなのですが、マイケルがその遊びをするシーンがあります。
その後、ジョンも似たような事をするのですが・・
線歩きの少し前にはしごを登らなかったシーンに繋がっています。
気になった点は作品の背景が殆ど語られていない事。
先に書いた通り、ジョンの入れ墨や窓ふきという中途半端な仕事をしている理由など説明が殆どありません。
もう説明を盛り込んでも良かったのかも。
悩んだからこそ終盤の覚悟が光る本作。
だからこそラストシーンでもマイケルの表情が非常に刺さるものとなっています。
親子の愛をテーマにしたい人なら是非。
なお、決め手は子どもと向き合ってくれるかだったようで。
多くの里親は自分たちの育て方を当てはめるような人だったのですが、良く見ると唯一マイケルのお気に入りを認めてくれています。
監督の代表作・・を日本でリメイクした作品、なお監修も担当しています。
どうしてもオリジナルと比べると色々残念ですが。