音楽と出会いのめり込むように没頭していったフランク・ザッパ
その結果、人気ミュージシャンとなってく。
しかし、彼は売れる音楽には全く興味が無かった
鑑賞日 2022年6月4日
映画館 キネマ館
人に活力と生きる意味を押してくれる音楽。
そんな音楽を生み出すミュージシャンですが、売れるとさらに売れるように欲が出てくるもの。
まあ、人間の欲の部分ですからある程度は仕方がない・・
しかし!そんな売り上げ至上主義を鼻で笑うミュージシャンがいた!
本作はそんな孤高のミュージシャン、ふらんく・ザッパの半生を収めたドキュメンタリー映画。
そして、彼の活動はミュージシャンのみならず創作活動を行う人に突き付けるモノとなっています。
本作のポイントは音楽の為に。
親の仕事の関係で薬品や火薬を使った実験に明け暮れていたフランク。
そして、その実験がひと段落ついた折、それまで縁が無かった音楽と出会い、以降音楽にのめり込んでいく。
その結果、人気ミュージシャンになるも、その音楽のスキルは他者を寄せ付けないものになりつつあった。
一方、売れる音楽を要求し、利益を採取する会社の方針にも疑問を持ち始める。
はたしてザッパが目指した音楽の姿とは?
非常に前衛的なやり方をしていたザッパ。
自前で音楽スタジオを作ったり、また自分のレーベルを立ち上げるなど、当時のミュージシャンとしてもかなり自ら精力的に活動していたそうで。
また、音楽も常に実験的な代物だったようで。
なお、この頃のミュージシャンといえば麻薬が切っても切れない関係だったのですが、ザッパは毛嫌いしていたそうです。
見どころは中盤、ザッパが遺した音楽。
多くの曲をのこしたザッパ、その中にはピアノの曲もありまして。
ロックミュージシャンとは思えない程、前衛的な代物で、現代音楽に通づるものが有ります。
気になった点は余り音楽をじっくり聴けるシーンが無い事。
とにかくひたすら作曲をし続けていたためか、膨大な曲を残したため、音楽も端折り端折り。
まあ、聞きたければ自分で音源を買えという事かと。
晩年は音楽の自由のために政治活動を積極的に行っていたザッパ。
その姿はミュージシャンの枠組みを超えています。
エロ本を守りたいだけの安っぽい表現の自由を叫ぶ輩はザッパの曲を四六時中聞けと言いたくなります。
このようなミュージシャンがいた事を知るきっかけにも良い作品だと思います。
本作の劇中、ベルーシが映っているシーンが有ったためチョイス。
こちらの最後は悲惨ですが。