ドーナツで掴んだアメリカンドリーム ドーナツキング | Mの国より愛を込めて

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カンボジアから亡命しアメリカにやってきたテッド

ドーナツ店でバイトをきっかけに自分でお店を持つことに

そして彼の後に続き次々とドーナツ店が開店していくが?

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2021年12月29日

映画館 キネマ館

 

ついつい手が出てしまうデザートといえばドーナツ。

小麦粉で作られた生地を油で揚げて砂糖やチョコレートでコーティングしたお菓子、これが美味しくないわけがない!

 

・・まあ、非常にカロリーも高いので食べ過ぎるのは危険ですが。

 

日本ではミスタードーナツが圧倒的に強く、他は個人店のパン屋さんが細々と売っている程度。

そういえば、一時期コンビニで売り出していましたが、いつの間にか無くなっていますね。

やっぱりミスドが強かったというべきか・・

 

という訳でチェーン店が多いドーナツですが、本場のアメリカでは若干事情が異なるようで?

 

本作は西岸部でドーナツ店を始めた一人のカンボジア人の話となっています。

何故彼がドーナツ店を始めたのかというと色々複雑なものが有ったようです。

 

本作のポイントはアメリカンドリームを達成したアジア人。

アメリカの国民食であるドーナツ、しかしカリフォルニアではカンボジアからの移民たちによる個人店が非常に多い。

そのきっかけを作ったのは、ポル・ポトからの弾圧から逃げるように家族と共にカンボジアからアメリカに亡命したテッド。

移住したテッドはドーナツ店でバイトをした折、これだったら自分でもできると思い立ち、ノウハウを学んだ後独立したところ大成功。

そのため他の移民たちもテッドからやり方を学び次々独立していった結果カリフォルニアでは大手チェーン店を寄せ付けない地盤になっていった。

かくしてアメリカンドリームの達成者としてもてはやされたテッド、しかし誘惑に取りつかれた彼は瞬く間に落ちぶれて行く。

 

果たして、ドーナツキングの末路とは?

 

当時はそこまで味にうるさい人もいなかった事もあり、作れば作るだけ売れていたようで、一家総出でドーナツを作っていた家族も居たそうな。

そりゃ家族をつかえば人件費は要らないし・・今だと色々問題になりそうではありますが。

なお、現在は子供や孫の代となっており、SNSでの発信に余念が無いようです。

 

見どころは前半、亡命したテッド。

元々カンボジアの軍人だったテッド、しかしポル・ポトが勢いを増し身の危険を感じたため家族と共に亡命することに。

難民キャンプの様子など、今見るとやっぱり凄まじい出来事だったと分かります。

 

気になった点は後半はテッドの出番が無い事。

人生から転げ落ちてしまい、失意のままドーナツ界から去っただけあり、その後はテッド一家とは別の家族の奮闘が中心となります。

とはいえ、いささか出番が無さすぎるというのも・・

 

アメリカの制度に救われたテッドがアメリカの娯楽で落ちぶれて行く様を見るとアメリカにもて遊ばれたような感がある本作。

とはいえ、今の店の人たちはドーナツに情熱を注いでいるようで、非常に美味しそうに見えます。

そのため、見た後はドーナツが食べたくなる事請け合いです。

 

でも食べ過ぎは厳禁ですよ。

 

 

 

ポル・ポト政権下でのカンボジアを題材にした作品。

ハッキリ言って酷いとしか言いようのない統治となっています。

しかし、ベトナムに負けて滅んだのね。