トランスジェンダーの凪沙は性転換手術に悩む日々
そんな折、育児放棄された姪の一果を預かる事になる
そして一果がバレエと出会ったことで二人の関係は変化する
鑑賞日 2020年12月1日
映画館 セントラル
PG12対象
未成年の喫煙
多様性が叫ばれている今日この頃。
その代表格として知られるのがLGBT、性的少数者の事です。
レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を合わせたものです。
とはいえ、LGBまでは性的志向(恋愛の対象)、Tは性自認(自分の性別の認識)であり、組み合わせやクエスチョニングなど他の要素も加えると非常に多岐にわたります。
一番大事なのはこのような人達がいるという事を知る事、そして存在を認める事です。
前置きが長くなりましたが、本作はトランスジェンダーの人物と姪との出会いにより変わっていく話。
主役のトランスジェンダーの凪沙を演じたのが元SMAPの草なぎ剛さんという事で非常に話題になった作品です。
・・のですが、Mの国ではウケが悪かったようで、早々上映終了の憂き目にあいました。
ところが、全国でヒットしており、舞台挨拶に合わせて1週間限定で再上映した次第です。
うん、本当に危なかった。
本作のポイントは見つけた目標。
親にトランスジェンダーを打ち明けずに東京のゲイバーで働いていいた凪沙。
そんなある日、育児放棄された姪の一果を一時的に預かる事となる。
しかも当の一果は、感情の表現が出来ず自傷や暴力行為を行うようになっていた。
そんな折、バレエ教室に目が留まった一果はその動きに心が動かされ凪沙に内緒でバレエを習う事に。
アルバイトで受講料を稼ぐも、事故を起こしてしまい凪沙にバレてしまうも一果の才能を知りバレエを続ける事を了承する。
目標を見つけ前に向きつつあった一果、そんな彼女を見守る凪沙も覚悟を決める。
果たして二人の目標の結末は?
凪沙はトランスジェンダーとしての生き方の苦しさとバレエという目標を見つけた一果の眩しい姿の対比の物語。
とりわけ中盤以降は一果の方がメインとなり、凪沙は一果を見守る役割になっていきます。
見どころは中盤、コンクールの一次審査。
一果にとって大きな舞台となるコンクール。
一方、一果とともにバレエを習っていた桑田が怪我でリタイアしているのですが、一果が演技をする中、彼女のバレエを踊っているのですが?
バレエの美しさと一果に追い抜かれたうえ、バレエを辞めざるを得なかった桑田の狂気のシーンとなっています。
気になった点は後半が色々端折り過ぎ&強引すぎな事。
何故一果が夢を追い続けられたとか、凪沙の状況など、説明不足な感が否めません。
後半の展開がおざなりになってしまっているのが非常に惜しい本作。
中盤まではバレエに夢を追う一果と苦しみながらも一果のために自分を犠牲にする凪沙の姿が見るものに染みます。
話の大筋としてはバレエの演目「白鳥の湖」を題材としており、それに準じたオチ・・かもしれません。
バレエのシーンは本当に素晴らしいのでそれだけでも見る価値があります。
元SMAPのメンバー繋がりでチョイス。
炭づくりの男と家族の話なのですが、後半は意外な展開が。
印象的なシーンがある作品です。