岩手県の山林を利用した山路酪農
そんな山路酪農を営む吉塚一家は家族で酪農を営んでいた
四季折々の月日が流れ家族も変わっていくが?
鑑賞日 2019年10月12日
映画館 キネマ館
多くの人が毎日ないし習慣的に飲んでいるであろう牛乳。
基本的にスーパーで売られている牛乳は国内産となっているのですが、近年は農業従事者の減少と同様酪農家も激減しています。
加えて海外産の規制緩和の圧力により酪農は大ピンチと言ってよいかと・・
ともあれ、生き残るには付加価値をつけるのも一つの方法。
本作はそんな酪農の可能性を探ることが出来る作品。
岩手県の山里で行われている山路酪農を営んでいる一家の20年を追ったテレビ岩手によるドキュメンタリー映画となっています。
本作のポイントは酪農の苦労。
搾乳以外の時間はすべて放牧させるという山路酪農。
そのやり方を信じ40年前から山路酪農に取り組んでいる吉塚家。
資金が無いため一家総出で酪農に勤しみ、栄養価の高い牛乳を作る事に成功していた。
そこで山路酪農オリジナルブランドの牛乳を立ち上げ販売に乗り出すも経営は中々軌道に乗らない。
そして子供たちも成長し、父親との考えと衝突することも増えていく。
果たして山路酪農の未来は?
山路酪農とは、夏だろうが冬だろうが搾乳の時間以外は放牧を行う酪農。
また、餌は牧草のみで穀物飼料や化学物質の餌を与えていないなど決まりがあるようです。
そのため現在の機械的な酪農と異なり、生産性は劣りますが栄養価の高い付加価値のついた牛乳が出来るようです。
また、最近は乳製品の開発にも取り組んでるようです。
なお、舞台となった田野畑山地酪農で山路酪農を営んでいるのは2件のみ。
自社ブランドのためJAの販売網が使えず資金面でも苦労しているようで。
とはいえ、そこに活路があるものです。
見どころは後半、親子の葛藤。
当初は父親のやり方に従うだけだった子供たち。
しかし成長するにつれ、自分の考えも主張するように。
意見をぶつけ合うのは悪い事ではありません。
気になった点は子供たちの扱いに差がある事。
どうしても撮影当初から働いている長男、次男、長女のパートが多いのですが、子供は7人いるので他にも映しても良かったのでは?
というか、お母さん頑張った。
多くの人が知っている酪農とは違ったやり方だけに色々考えてしまう本作。
勿論生活が厳しいやり方であることは間違いありませんが、里山再生の手段の一つになるものです。
どこぞの国から飼料用のトウモロコシを押し付けられなくても成り立つ酪農には光るものがあります。
酪農繋がりでチョイス。
北海道の農家たちがレストランを開くというもの。
真昼間からBBQをやるのは流石に羨ましい・・