消えるもの、残るもの アリスのままで | Mの国より愛を込めて

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仕事も私生活も充実していたアリス。
しかし病院でアルツハイマーと診断され、家族に衝撃が走る。
日々記憶が無くなっていくアリスはもしもの時に備えるが?








公式サイト

観賞日 H27.7.12
映画館 キネマ館

日本で今、最も根治が求められている病気、認知症。
原因は複数有りますが、記憶が失われ、人間性も失っていく。
特に問題となっているのが、多くの認知症の場合、治す事ができないこと、そして発症率の高さ。
そして、徐々に症状が進むため、家族の負担がかなり大きいことです。
それだけに、治療の研究も進んでいる分野なので、一日でも早い治療法の確立が求められています。

本作はそんな認知症を題材にした作品。
主演のジュリアン・ムーアが今年のアカデミー賞で主演女優賞を取った作品とし知られています。
しかしながら海外で認知症を題材にした作品と言うのも珍しいような~
本当は他にもあるのかもしれませんが配給が付かないのかな?

さて、本作のポイントは残された日々。
大学教授として輝かしいキャリアを持ち、三人の子供にも恵まれ充実した日々を過ごしてきたアリス。
ところが講義の時に単語をど忘れし、またジョギングしていた時に道に迷ってしまう。
元々完璧主義者だったアリスにとって信じられない出来事だったため、病院を受診したところ遺伝性の若年性アルツハイマー病と診断される。
突然の知らせにアリス自身のみならず家族にも動揺が広がってしまう。
アリスは何とか今まで通りの生活を送ろうとするものの急激に認知機能が落ちてしまい、結局仕事を辞めざるを得ない状況に。
そして夏のバカンスでは自分らしくいられる最後の夏として家族水入らずの生活を送る。
しかし、その一方でアリスは全てを忘れる前に自分の人生を終わらせようとしていた。

記憶を失っていくアリスの行く末は?
そして家族の選択は?

本作は若年性認知症が題材となっており、アリスは子育ては一段落着いているものの、仕事は精力的に行っていた人物。
それだけに今まで培ってきたものが全て崩れ去ってしまう恐怖は筆舌しがたい無いモノとなっています。
しかも、遺伝性ということで、子供たちにも認知症のリスクがあると言うのも親として悔しいことになっています。
本作では蝶がキーアイテムとなっているのですが、その理由もかなり衝撃的です。


見所は中盤、アリスの公演。
認知症患者の家族会での公演を依頼されたアリス。
既に大学を辞め、公演から久しかった彼女だけど、久しぶりに人の前で話す機会となるけど?
今の彼女の精一杯が溢れているシーンとなっています。

気になった点は後半はひたすら苦しいシーンが続いてしまうこと。
いうなれば中盤の公演以降は症状が悪くなるばかりで、見ていて辛くなっていきます。
もうちょっと穏やかなシーンがあっても良かったのかも・・

正直、認知症の介護は辛いという分かりきった展開のため、良くも悪くもジュリアン・ムーアの演技が全ての本作。
オチも弱めなので、感動系の作品を期待するとちょっと裏切られるかもしれません。
ともあれ曲がりなりにもアカデミー賞を取った作品、展開の構成自体は上手いので見て損は無いと思います。




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逆に邦画だと認知症を題材にした作品は結構あるのですが、展開的に似ているのでチョイス。
コチラは後半の展開に泣けます。