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小児麻痺により植物状態と診断されたマテウシュ
以来両親が面倒を見てきたものの、高齢のため施設に入ることに
施設で散々に扱われるマテウシュ、しかし彼の心は成長していた







公式サイト

観賞日 H27.2.19
映画館 キネマ館


人間誰しも人とは違うもの、それは障碍についても同じことです。
勿論障碍があろうが無かろうがその人を尊重する社会が望ましいのですが、意思の疎通が難しいとどうやって接したらよいか分からないことも。

本作はそんな意思の疎通が困難で植物状態とされた男性が自分を取り戻す話。
そして、まさかの実話だったりします。

本作のポイントは心の成長。
社会主義時代のポーランドで生まれたマテウシュは小児麻痺を患い、その症状をみた医師は両親に彼が植物状態であると伝える。
それでもマテウシュに愛情を注ぐ両親、兄弟たちも協力的に面倒を見ることに。
しかし年月が経ち、父親が死に兄弟も独立、そして母親も高齢のため世話をするのが困難になったためマテウシュは知的障碍者の施設に預けられることに。
重度な知的障碍とされていたマテウシュはそこで監獄のような暮らしを強いられることになる。
それでもマテウシュは諦めなかった、言葉は話せなくとも、体を自由に動かせなくとも、自分がちゃんと生きていることを示すきっかけを待っていた!

マテウシュは重度の小児麻痺のため通常の意思疎通は出来ません。
しかし、意思の疎通が出来ないから全くの無反応かと思えばさにあらず。
自分の意思をしっかり持ち、また心もある、普通の人となんら変わりがありません。
ただ意思の疎通が普通とはちょっと違うだけです。
勿論女性も大好きという中々な青年、特にオッパイはお気に入りだったりします。

見所は終盤、マテイシュの表現。
自分を示すチャンスの時!
一見全くの無反応だが、彼の魂が意識を突き動かす!
その姿に魂が揺さぶられます。

気になった点はマテウシュと仲良くなった女性のエピソードの結末が弱いこと。
マテウシュの恋心は劇中2回あるのですが、仲良くなるものの、世間の荒波にもまれ実りません。
実らないのはまあ致し方ないのですが、両方とも唐突に終わってしまうのは勿体無いかと。
特に施設入所時の彼女との別れはもっと膨らましても良かったのかも。

障碍者を題材とした作品の中には「障碍者は可哀想なもの」として扱う作品も多くあるのですが、本作は困難な半生だけど決して諦めず、常に大丈夫という精神で人生を乗り切っています。
エンドロールで実際のマテウシュが映されますが、何事にも諦めない姿がそこにあります。



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知的障碍や自閉症を患った人達がその特性を生かし自立していく作品。
コチラも実話を題材にしていますが、やはり懸命に生きる姿が眩しい作品です。