今だからこその現象 白ゆき姫殺人事件 | Mの国より愛を込めて

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うだつの上がらないAD赤星は元恋人から殺人事件の情報を入手
取材を続けるうちに容疑者 城野美姫の素性を炙りだしてゆく
そしてネットでの論争が予想以上に加熱してゆく





公式サイト

観賞日 H26.3.29
映画館 セントラル

近年目覚しい進化を遂げたインターネット
特にマスコミからの一方通行だった情報が一個人でも発信できることになったことは、大きな進化だと思います。
勿論ブログもその一つですが~

本作はそんなネットのツールを題材にした作品となります。
一つの殺人事件がネットに巻き込まれた結果どのようなことになるのか?

本作のポイントは噂と嘘
事の発端は美人OLが殺された事件
ADである赤星は元恋人の狩野から事件の事情徴収を受けたことを連絡。
狩野の情報から城野美姫が容疑者として浮上し、証言を集めワイドショーで放送。
また赤星がツイッターで情報を流していたこともあり、ネットでは白ゆき姫殺人事件としてヒートアップ。
しかし証言を見ると色々食い違いも見られるが・・?

そう、証言をしている人間の話は噂と嘘が入り混じっています。
ネットの情報が噂と嘘で成り立っていると同じく、証言にも噂と嘘が隠れています。
どれが本当の情報か分からないことになるのですが、後半に事実が分かりますので、意味不明でも大丈夫。
要は「羅生門」みたいな展開と思っていただければ宜しいかと。

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見所は中盤ワイドショー的表現
赤星が掴んだ情報を元にワイドショーのワンコーナーが作成
その内容がいかにもワイドショーという代物。
ぶっちゃげ笑いを凝られるのが大変です。

気になって点は終盤、急転直下で話しが進んでしまうこと。
まさにはい?と目を疑いたくなるような、超絶な展開
まあ本作はサスペンスではあるけどミステリーじゃありません。
殺人事件なんてオマケなんです!
あとは、後半からメルヘンが入るのは人を選ぶかもしれません。

オチがちょっとあんまりですが、後味はそこまで悪くなかったりします。
ラストシーンは嘘を振りまきながら事実が全然見えていなかったモノに対しニヤニヤ
人間を貶めることをするものではありませんね。




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以下蛇足

本作の肝はネットでの加熱。
匿名性があるネット社会ゆえ、加熱した論争に発展することもしばしば
本作もそこに目を付けているのですが、実のところ匿名性をウリにしたネット社会は縮小傾向にあります。
近年普及したフェイスブックやLINEは自分の情報をある程度公開する必要があり、匿名性が薄いサービスです。
これらは現実世界の延長線上になるため、今までの匿名性があるネット社会とは別物になります。
そもそも匿名だから何をしても良いという考えが自体が間違っているというもの。
自分は面白半分だろうけど、その向こうで見ているのは普通の人間であることは忘れてはいけません。

ネットはロバの耳を叫ぶ穴じゃないぞ!