文太さん三日目 「懲役太郎 まむしの兄弟」「まむしの兄弟 恐喝三億円」@新文芸坐 | 夜遊びする頃を過ぎても

夜遊びする頃を過ぎても

映画を観たり、編みものしたり。←どちらも停滞中。。。
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連日の文太さん参り。
記録する時間がないので、前日の作品の内容を次の日の作品が上書きしてしまう日々。

追悼 菅原文太
永遠に輝け一番星

@新文芸坐

3/17(火)
文太さん特集、三日目。

はじめての「懲役太郎 まむしの兄弟」
二度目の「まむしの兄弟 恐喝三億円」を観ました。

「懲役太郎 まむしの兄弟」
1971年/東映/92分
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まむしシリーズは大好きなのだけど、一作目を見てなかった…という体たらく。
遡って、スターウォーズのエピソード1な気持ちで観ました。
こちらでは、二人のハンパな刺青の背景に安藤昇が登場し男の背中を見せ、「恐喝三億円」ではまむし2人のステディになってるトルコ嬢女屋実和子と三島ゆり子との出会いキッカケ話あり、この組み合わせは、いい二本立てでした!

脚本は、中島貞夫監督と高田宏治。

文太さんの、喧嘩にめっぽう強いが女に弱い、桃さんにつながるキャラクターがすでに確立。
川地民夫さんは、まだ日活時代っぽい短めヘア。

孤児院育ちの義兄弟、ゴロ政と不死身の勝!
政の出所を勝が迎えるおなじみのオープニング。

出所祝いの高級フレンチのお店で、ナプキンをねじり鉢巻きにしてお肉に食らいつく文太さん、ダサバカカッコイイ!
なんでもええから、じゃんじゃん焼いて持って来んかいッ!だっけか。
ま、そこからずっとバカカッコ良さが続くのですが。
レストラン客の美人(佐藤友美)にデレデレするも、サツとわかるやポリ公!と豹変。
彼女が面倒を見ている孤児の少女との出会い。
幼い弟妹のため、健気におでんの屋台を引くこの少女への優しさと、強く生きろのエール。
「ポリは弱いものいじめしかしない!」
優しさと反骨、なんだかんだ軸がぶれないとこが魅力です。

また対立組織の抗争に巻き込まれる話なんだけど、
天津敏の登場に喜ぶも、今回の見どころは貫禄の葉山良二(前日の「天王寺の決斗」でも良かった)と、さらに貫禄の安藤昇です。彫り物ヌード披露。
さっそく感化されて、意気な我慢に挑戦するまむし。
安藤昇の最期に、「こんな男の立て方もあるんだな」と感じ入るのであります。

降りしきる雨に洗い流されていく、二人の中途半端な筋彫りの刺青。
これがワイらの勲章や!
と懲役回数分の王冠を自分たちの金バッヂに見立てるも、ヤクザ渡世に呆れ、こんなもんワイらにはいらんのじゃ!と投げ捨てるとこ。
すでに観ているこの後の作品に重なっていって、いっそう目に焼きつきました。

組織や何者にも帰属しないアウトサイダーの話が大好物なのだけど、まむしシリーズは、相棒との絆あり、反権力姿勢と弱い者への目線があって、でも語っちゃう説教臭さは微塵も無く、泣いて笑ってただただ楽しめる。
このシリーズ、本当に好きだなぁ!
と噛み締めました。

やっぱり、「ブルース・ブラザーズ」は「まむし」をヒントにしてると思えてなりません。

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***

「まむしの兄弟 恐喝三億円」

1973年/東映/88分

2014年7月の新文芸坐「鈴木則文監督追悼特集」で観て以来、二度目。
脚本は鈴木則文監督、高田宏治の共作。

いつになく勝が迎えにこないまま出所した政は、しかたがないので菅井きんたちのバスツアーに便乗して神戸の街へ。勝はアニキの出所祝いの資金繰りにアタリ屋をやって大怪我、轢いた相手は香港マフィア・李(河津清三郎)の愛娘(堀越光恵)で、李と日本のヤクザ(渡辺文雄)との麻薬取引に巻き込まれていくというお話。

李が用心棒にしているのが、貧困ゆえ母親に5円で売られた松方弘樹。
親無き子のゴロ政と、“日本人でも中国人でもない”国籍喪失の松方弘樹。
親の愛を知らない二人の対比がせつなく、文太さんの真っ直ぐな心意気に惚れる!
勝はお調子者の反面、最終的には善意が勝つのがイイ!

今回の印象は松方弘樹で、お嬢様との許されぬ恋あり、
「俺たちに明日はない」ちっくな後味に虚しさが吹き抜ける。
その分、まむしの部分はコミカルで清涼剤的活躍。

今作の司裕介、アップで抜かれてセリフも有り!
「へい。」←若いもん一人出せ、おまえ行って来い、の時。

堀越光恵は、キリッとしててノーブルなお顔立ちから、こういう生意気なお嬢様の役が似合う。

初めて観た時は哀しいお話に後味暗かったけど、今回は素直に楽しかった。
やっぱり面白いと思った映画は、繰り返し観た方がいい。
その時の気分もあるし。。。
わたしは、どちらかというと、幅広くなんでも観るよりも気に入ったのを何度も観たいタイプなのでそうしよう。


余談だが、チラシを見てたらリアルタイマーな世代のおじさんが話しかけてきて、女優さんの名前を聞かれた(こっちが聞きたいくらいです)。三島ゆり子が好きだったとか言ってたけど、当時観ていた頃は今のわたしよりも全然若い若者だったのだろうな。

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