「源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶」@新文芸坐 | 夜遊びする頃を過ぎても

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映画を観たり、編みものしたり。←どちらも停滞中。。。
日々の記録帳です。←もはや日々でもなく。

うあ~、あわただしく12月。

過ぎ去りし、
『時代劇の至宝 中村錦之助=萬屋錦之介 十七回忌
錦之助よ、永遠なれ!』
@新文芸坐


見るぞー!と当初の意気込みとはかけ離れた現実。
やっとこさ観に行けた二本目の錦ちゃん映画です。

BSなどで観ていて今回初劇場見!

「源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶」
(1962年/東映京都/98分)

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この作品、
「瞼の母」と同年次作と思うと錦ちゃんの振り幅すごい!
photo:02




伊藤大輔監督・脚本によるシリーズ最終作。

暗闇に二刀流・秘剣揚羽の蝶が舞う、鮮やかな立ち回りの冒頭シーン。
これは、錦ちゃん映画の中でも特に絵画的様式美を感じる立ち回り名場面です。

お話は、
なにものかに奪われた家宝の巻き物を巡って、命に代えても取り戻したい大奥入りを控えたお姫さまと、奪回に奔走する源氏九郎のハラハラドキドキ物語。
白装束に二刀流の美剣士、源氏九郎。
流れ者やくざの初音の鼓。
さすが錦兄ィの演じ分けが堪能できます~!


眠狂四郎でおなじみの柴錬三郎の原作。
孤高の蒼白の美剣士、こういうのは雷蔵が一番ぴったりだと思うのだけど、今作の源氏九郎は錦ちゃんがいい!
陽の錦ちゃんの持つ華が存分に引き出されています。


物語の充実、映像美とテンポの良さ、長屋からお城までゴージャスな東映時代劇のセットとダイナミックなカメラ。
お宝探しの仕掛けとケレン、美しいお姫様に、痛快な剣さばきの悪者退治と、娯楽時代劇の楽しさがたっぷり詰まった作品です。

巻き物を巡って対決するのは
鉄の義手をつけた剣客左源太とお仙のコンビ。
悪女なお仙の長谷川裕見子、ドロンジョ的な魅力あり。

美しいお姫様、清楚と勝気の2タイプ。

巻き物の秘密に自身の命をかけた、大川恵子の清楚なお姫様。
父上の仇ーッと長刀を振り回す、桜町弘子姫もいい!

錦ちゃんの活躍と並行して、
闇稼業を生業とする泥棒長屋の活動も見どころで、田中春男がいい動きしてます。

錦ちゃんに密かに思いを寄せる聾唖の娘喜乃の健気と、その気持をそっと受け取る錦ちゃんの温かさ。
お喜乃を演じる北沢典子、この話の中でひとりピュアな存在感がいいんです。

そして物語を引き締める、丹波哲郎の遠山の金さんも見どころ!

「源氏九郎」は前2作を加藤泰監督。
2作目「白狐二刀流」は加藤泰の叙情と奇想天外の活劇世界が不思議なハーモニー醸し出しちゃってたような…
この伊藤大輔監督の3作目がいちばん面白いと思います。というか好きです。



所用のため、朝イチでこれだけ観て退散するしかなかったのだけど、帰りに本日トークゲストの北沢典子さんとすれ違ってちょっぴり得した気分♪
白くて小柄でキレイな女優さんだった!

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