プレイングマネージャーの金沢沙耶は6月になって、ほぼ毎日、営業に出ています。
名刺交換の方法さえ知らなかった金沢ですから、取引のない会社に出向いて、担当者をつかまえて、
「俳優にしかできないナレーション」について話を聞いてもらい、具体的な案件提案までたどり着くのはそう容易いわけがありません。
何をするつもりなのか、
何をしたのか、
反省点、改善点を毎日、伝えてもらいます。
その内容が少しずつ良くなっています。
私だけでなく、マネージャーTも他のスタッフも、皆で彼女の成長を楽しんでいます。もとい、喜んでいます(笑)
今日は、クランクインしたばかりのドラマのアシスタントプロデューサーが
現場ではなくて、会社にいると情報を得ていましたが私が行けなくなったので、金沢に行ってもらうことにしました。
金沢は準備不足をいつも私に指摘されるので、その会社のこと、例えばミッシングピースの俳優が出演したその制作会社の作品のこと、
その時の担当者さんなどを調べて、プロフィールブックも持って金沢は出かけました。
ところが!!いるはずのAPさんは予定を変えて、遠方に出ていました。
対応してくださったスタッフさんに
金沢「ガーン(@ ̄Д ̄@;)。今日、いらっしゃるって聞いたから、来たのに。。。」とホンネを漏らしてしまったそうです。
すると、そのスタッフさん
「めっちゃ、いいリアクションするねぇw」と笑ってくださって、お留守のAPさんの電話番号を教えてくださったそうです。
(やったー!!あっ、でもこれで帰ったら、みゆきさんに叱られる!何でその場で電話せぇへんかったんよぉって叱られる!)と思った金沢はその場で(つまり電話番号を教えてくださったスタッフさんの目の前で)電話をかけたんだそうです。
そして、今、空いている役を聞き出し、
「います!!ピッタリの俳優がいます!!資料、すぐメール送ります。よろしくお願いいたします<(_ _)>」と電話を切ったんだそうです。
電話を切ってから
「あっ、メアド、分かんない( ̄□ ̄;)!!みゆきさんに叱られる!!」と独り言。
その様子を見ていたスタッフさんが笑いながら、メアドも教えてくださったそうです。
これでみゆきさんに叱られない!と金沢は思ったのかな(笑)
金沢が営業で会社訪問を始めたころ、私が4回も会えなかったプロデューサーに偶然会えた金沢が、嬉しそうにそのことを私の報告したことを思い出します。
金沢「○○さん、いらっしゃったんです」
私「へぇ~。よかったなぁ。で、どんな話したん?」
金沢「それが、お話聞いていただこうとしたら、『ごめん、ほんまに忙しいねん。また、今度、時間作るから』って。関西の方ですね(金沢も関西なので親近感が湧いたんだろうと思います)」
私「???今度っていつ?」
金沢「えっ。あー、でも、名刺、いただいてるから連絡できます。」まだ叱られることに気がついていない金沢ですが、
私のいらだった顔つきに少し身構えているようにも感じます。
私「あんなぁ。。。じゃあ、また、今度って『さいなら』の代わりみたいなもんやろ。」
金沢「えっ・・・」
私「『明日は如何ですか?来週何曜日ならお時間いただけますか?10分ほどで結構なんで。』とかって言って、その場で次の約束を取り付けないと!」
金沢「あ・・・」
私「もし、そのアポ、守ってもらえなくても、そのアポ変えてって連絡とってくるはず。
そんなこと繰り返しているうちに、ほんまに会わないと、時間取ってやらないとあかんわって感じ出すもんやで。
ええか、次は『無い』ねん。その時、次のフックを見つけなあかん」
褒めてもらえると思った金沢はショックのようでしたが、営業にとって「会える」チャンスの意義は分かっておかないと労力が何倍もかかってしまいます。
今日の出来事と比べると、金沢の成長ぶりが分かりますね(^^♪
そんなに叱ってるつもりはないのですが
「みゆきさんに叱られる!」が彼女の背中を押しているだと思えて、嬉しかったです。

