昨日、劇団た組第16回公演「心臓が濡れる」のパンフレット撮影がありました。
最近はお互いに忙しく、二人で話す時間が減っていましたし、
時間に少し余裕があったので、西麻布のスタジオから青山一丁目まで
鳥谷宏之と色々と話しながら歩くことにしました。
去年の七夕、短冊に「ミッシングピースが世間から一目置かれる事務所になりますように」と書いた鳥谷の
ミッシングピース所属俳優に対する思い入れは深く強くゆるぎなく、
その見識、観察力は、いつもミッシングピースを支えてくれています。
テレビドラマのスペシャルゲストの撮影に入っている伊藤洋三郎
舞台もテレビも順調と言える加藤啓
舞台「はりこみ」出演中の辻香音
そして、かつての同僚、映画「はりこみ」の監督の板垣雄亮さん
身近な俳優の話に花が咲きます。
聞き手に回ることが多い鳥谷がいつもより饒舌なのは面と向かって話していないからなのかもしれません。
私「なんか気持ちいいね」
鳥谷「ちょっと涼しくなりましたか。さっきまで蒸し暑かったんですけどね」
ふと
今、話さなきゃいけないのは俳優「鳥谷宏之」のことだと気がつきました。
最近、もごもごと心の中で動き出している感覚を言葉にしてみます。
私「『心臓が濡れる』が決まったことでちょっと安心したって言うか、ちょっと次に焦らなくていいと言うか。。。」
鳥谷「粛々とやっていきますよ。」
その言葉には「僕は心配いりませんから。大丈夫ですよ。」と感じ取れるニュアンスがあります。
私「いや、そんなことじゃなくて。なんやろ。なんか、こう。。。なんか、イメージが無いねん。
ぼんやりとでもいいから、ここに辿り着きたいって言う、なんか。
足元の道は分かってるねんけど、これ何の山登ってるの?みたいな何か。
もっとこう、真ん中をブスっと突きたいみたいな。ああ!もどかしいわ(笑)」
私は手を、腕を胸の前に広げたり、寄せたりしながら「何か」を掴むようなイメージを表現します。
鳥谷「そうですねぇ。何なんですかねぇ。。。」
(ああ、このもどかしさが大切で、もどかしく感じるためにこうやって一緒に歩いているんだ)
私「ええわ。なんかこう、見つかってないよ。って思っとく。探さなあかんって思っとく(笑)
そしたら、そのうち見つかるわ。うん」
面と向かうと話せないことってあるような気がします。
同じ道を歩きながら互いの顔を見ないから話せることがあると思います。
30分ほど歩いて青山一丁目駅に着きました。
急に
緊張すると首や胸の周りを触る癖がある辻香音の緊張が伝わってきた写真が浮かんできて
体調不良で観に行ってやれなかった「はりこみ」、今晩、観に行ってやろう。と思いました。
「粛々とやっていきますよ」鳥谷の言葉が私の背中を押しているのかな。と思いました。