整形外科を受診し、2年振りに骨密度を測ってみた。
4年前の手術で米粒ほどの小さな臓器を一緒に切除した。
その小さな臓器はカルシウムの吸収を促進させるホルモンを出す。
無くなってしまうと低カルシウム血症になる。
乳酸カルシウムとビタミンDをこれでもかと処方された。
切除された米粒大の臓器、がんになった臓器と同じ色で探すのが大変。
1つは見失い、残り3つをグチュグチュと練って筋肉に埋め込んだ。
2年後、グチュグチュが何とかホルモンを出すようになった。
それで、カルシウム剤の補充をやめた。
人体って原始的。
グチュグチュがいっぱしのものになるとは到底信じられない自分。
ガタッと落ちて骨がスカスカになると信じて疑わなかった。
どのくらい落ちるか骨密度を測っておいて変化を見ることにした。
2年前、カルシウム剤をガンガン飲まされたお陰で、若者の121%。
腰椎は立派な骨だった。
2年2ヶ月後、腰椎は若者の122%になっていた。
骨がスカスカに怯え、カルシウムとビタミンDのサプリを欠かさなかった。
大腿骨も前回より104%から108%に上がっていた。
整形外科の医師は、骨粗鬆症の入り口だと説明。
ビタミンD剤が処方されることになった。
「先生、ビタミンDとカルシウムのサプリを飲んでいるのですが」
「あ、サプリはやめてね」
「え、何でですか」
「サプリは薬ではなく食品だからね、効かないのよ」
「効かない?」
「サプリで経済活動があるから国はおおっぴらには言わないけど」
「……」
「薬になれないのがサプリ。サプリって不思議な言葉だね」
「効くと信じて飲んでいるのですけど」
「サプリで問題起きたじゃない。死者も出ているし。危険もあるよ」
「ああ……そうですね」
「よくテレビでやっているあれ、階段を上がれるようになったとか」
「グルコサミンとかコンドロイチンですね」
「あれね、変形性膝関節症には効かないのよ。全然」
「全然……」
「サプリが気になるなら、次回持って来て見せてよ」
「はい」
「ところで、腎臓はどうなん?」
「クレアチニンが高いです」
「どのくらい?」
「最近測ってないのですが」
「ビタミンD薬は段階があって、これにしたいけど腎臓が気になるね」
「……」
「血液検査させてもらえる?」
「先生、膝にいつものヒアルロン酸の注射お願いします」
医師、パッと両膝を触った。
「水もたまってないし、まだ必要ないよ」
前回12月に注射したときには毎週でもいいと言っていたのに。
気まぐれやなぁ