我がバイト先の施設の異次元星人さんたち

彼らが実はとても楽しいって話はいつもしている

 

認知症ってのは

実にいろいろなパターンがあるが、

ここで暮らす人々の大多数は

というか、ここで暮らせる人々は、

ちゃんとコミュニケーションが取れて

冗談に笑い、喧嘩して怒り、

感動して泣いたりするワケで

 

何が違うのかと言えば、

例えば家族の話をしていたとする

大いに盛り上がって、

楽しい大家族だね、なんて話し、

話し終わった途端に、

で、あんた、家族はいるの??

って聞くような感じなのだよ

 

会話をしている間は、

本当に真剣にわかり合ってたりするが

その話を数分も覚えていられない

 

人の顔は忘れるにしても、

スタッフが顔馴染みであることは

十分に理解している

 

昨日も驚いたのは、

女性たちにあんた金持ちでしょ、

とか言われた男性スタッフが

自分を卑下して、

自分は乞食、なんて言ったんだから

そばで聞いてたこっちの方がぶっ飛んだが

女性二人もすごく嫌な顔をして、

 

あんたこの前もそんなこと言ったけど、

やめなさいよっっ

自分のことをそんなふうに言うのはよくないよ

 

と諭したんだわ

彼が去った後、

二人で、

あの人はまたあんなこと言って、

ととても苦い顔をしていた

女性陣は前にも言われてたことを

嫌な思いを通して思い出したんだな

 

この二人に限らず、

なんとなく嫌なことがあった、

なんか楽しいことがあった、

そんな感情は心に残っているらしい

 

そんな女子の一人、

協調性がなくって

なかなか扱いにくい方だが

さすがにここの生活にも慣れてきて

フロアで過ごす時間が長くなった

 

3姉妹の末っ子で甘ったれ、

と自称するだけあって

気が強いけれど、怖いと泣き出すタイプ

 

ちょっと前にも問題行動のある男性が

目の前に来たことから怖くなって

勝ち気な部分も吹っ飛んで、

haha にしくしくと涙を見せたっけ

 

そんな彼女は大のお風呂嫌い、

というよりも、お風呂は好きだが

ここで入りたくない、

家で入るから〜〜

って感じで

もちろん男子スタッフNG、

このところの人員不足で

女性スタッフ不在が続くと

入浴回数も減ってしまう

 

で、そんな時にhaha 出番だ〜

本来haha の勤務パターンには

入浴介助は含まれないのだが

男子スタッフとその時間だけ交代し、

彼におやつやらレクリエーションやら

そんなことをやってもらって、

haha はお風呂に専念する、ってこと

 

女性スタッフから聞き取ると、

いつも1時間はかかってしまう、

なにしろ手伝いを嫌がって

自分で全部するけど遅いからね〜

と、女性スタッフはほぼ見守り状態

 

なるほど〜、

そういえば入居したての頃、

ずっと拒否が続いて、

ついにhaha が口開けで

この方をお風呂に入れたんだった〜〜

 

あの時は、

身体にクリームを塗るだとか、

足だけ洗おうとか

なんか騙し討ちみたいにしたけど

結局はすっきりして、

いいお顔して出てきたっけね

 

さて今回はどうかなぁ、

で、午後の会が始まる時間、

彼女はみんなで歌うのが嫌いだから

ちょうどいい、

 

歌にする??

それとも一緒に行って

クリーム塗る???

 

うまくいくどころじゃない、

被せるように、

行く行くっっ

と、席を立って一緒に来てくれる

 

お風呂場に着くと

警戒するかと思いきや、

え、私なにすんの??

 

着替えですよ〜、

それと足洗うから、

娘さんが着替え一式持ってきてくれたし

と、これが決め台詞らしくそれを踏襲したが

 

そうなの??

娘が??

で、私はどうすればいいの??

 

なにを勘違いしたのか、

娘さんがhaha を派遣した、

みたいな感じになってる??

 

じゃあとりあえず、

今着ているものは洗濯しますね

と、カゴを渡すと素直に脱ぎ捨てて

その中に入れてくださるじゃないかっっ

 

そのまま風呂場の椅子に座っていただき、

足を桶につけて心地よくして〜〜

あとはもう、身を任せるかのように

全部、haha 主導、

 

娘に感謝だわぁ〜

 

なんておっしゃりつつ、

子ども談義に花が咲く

頭もしっかり洗ってあげて、

湯船にゆったりと浸かって

上がってからはドライヤーをかけ、

ホント、さっぱりしたよねっっ

(10日も入ってなかったんだもん)

 

その後フロアに戻ると、

すでにみんなはおやつを平らげてる

でも時間は40分もかからなかったか

 

その後、風呂掃除をして

洗濯機を回して、

久々にいい汗かいた???

少しくらいは痩せただろうか

 

さてその後はあれこれ本来の仕事、

と思っていたら、

交代した男子があらかたやってて

ラッキーなことにやることない??

じゃあ今日は定刻上がりで、

昨日も行けなかったホットヨガだっっ

 

嬉しい誤算でテキパキ動いてたら

風呂上がりのツヤツヤした彼女が

居室へ戻っていく

疲れが出たんだろう、眠そうだけど

もう夕方だからあんまり寝ないでね

 

つい立ち止まると捕まってしまって

戸口でおしゃべり、

なんだか感極まった顔をしてるじゃん

 

なになに、どうした、

泣かないでよ〜〜

(決してタメ口は許されない職場っ)

 

なんだかわからないけど、

泣けてきちゃうのよ〜〜

こうしていろいろ話せてよかったぁ

 

小柄な彼女は

ちっちゃいhaha より小さいので、

よしよし、としてあげる

ってか、こっちの方がはるかに年下

(はるかでもないが)

こっちが姉みたいじゃん、

仕方ないなぁ、

と、軽口を叩いても

べそべそしているわ

 

本人も言うように、

きっと理由なんかわからない、

理由なんかないかもしれないが、

いくら慣れたとはいえ、

大勢の他人の中で暮らしているワケで

自室があったとしても

気が張っている生活に違いはない

 

そんな緊張が、

なんとなくこの軽口おばさん相手に解けたのかな

 

haha から見れば

この人が特別じゃないし、

時々小憎たらしく感じることもあるが

現在総勢9名の異次元星人さんたち、

みんなみんな愛しき存在なり

(あ、そうじゃない…かも…)

 

そんなこんなで疲れ果て、

ホットヨガへ走ったが

レッスン前に乗った体重計は

無情にも1gも減っていなかったのだった…

 

 

 


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