午後のライブ前にはこれ、
新宿シネマカリテにて
 
エドガルド・モルターラ
ある少年の数奇な運命
 
 
これまた実話とのことで、
カトリック教会の闇が暴かれるのか
と、どきどきわくわくも、
ちょっと違う歴史のお勉強だったかも
 
1800年代後半、
カトリック教会はその権威を示すため
異端に対する措置を厳しくしていた
つまりカトリックの洗礼が絶対とされ、
あるユダヤ人一家に悲劇が起こる
 
ボローニャに暮らすユダヤ人一家には
エドガルドという6歳の息子がいたが、
この子が生後半年の頃に
カトリックの洗礼を受けたと通報があり
ある日突然、教会に連れ去られる
 
カトリック教会は絶対であり、
ユダヤ人たちは居住区域も定められ
ほとんど力を持たない
ローマへ連れ去られたエドガルドは
入れられた学校でカトリック教育を受ける
 
当たり前だが、
洗礼なんて心当たりがない両親は激怒、
匿名の通報者を探したり奔走、
地域やマスコミも動員して
なんとか息子を取り戻そうと
枢機卿に直談判にも及ぶが
まったく話にならない
 
純心なエドガルドは母親の言を守って
密かにユダヤ教の祈りを唱えるが、
十字架にかかったイエス像に心を奪われる…
 
政情不安な頃のこと、
ローマ教皇のワンマンぶりが恐ろしい
このピウス9世という人物は
30年以上もこの地位にいたそうで、
その傍若無人ぶりは
おおよそキリスト教徒とは思えない振る舞いだ
 
就任時には自由主義者たちも
こぞって支持したそうだが
その後の変節著しく、
保守化して市民の恨みも買っていく
 
そんな教皇の犠牲になった家族だが、
当のエドガルドは、果たして〜〜
 
こればかりは本人にしかわからないが
史実としての彼はその後、
神父として90歳くらいまで生きたそうな
 
ユダヤ教対キリスト教の様相だが、
そもそもは同じ神を信じているはず、
どちらもアダムとイブの創世記からの
同じ聖書を拠り所にしていたはずが、
イエス・キリストという存在が
そこからの分裂を産んでしまった
 
そう考えると、
エドガルドがイエス・キリストを知り
そちらの方向へ歩みを向けたのも
人間としては自然の流れだったのか
 
とはいうものの、
ローマ教皇という存在の是非はどうなのか
 
さすがに今は近代化とともに
あれこれ悪習を断ち切っている様子だが
キリスト教に限らず、
宗教、というか、宗教団体、
ってものに、
永遠なる問題を感じてしまうなぁ
 
本来平和のために存在するはず、
なのにね…
そこに存在する人間のせいだとしても
宗教が悪者になってしまうのは
なんだか残念極まりないね
 
ってか、今の日本では
宗教どころか政治を語るのも
憚られるっておかしな時代だけど
 
いつかはこんな現代も
黒歴史となって
いい時代が来るのかな、
そう信じたいけどね
 
 

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