駆け足の京都、
帰りの時期調整に
地元で上映のない作品をと 
京都シネマへ
 
ほかげ
 
 
塚本晋也作品に興味はあれど
今まで一本も観ていない(たぶん)
なので、ちょっと緊張しつつ
 
第二次世界大戦終戦の8月、
と思われるある食堂
これも、と思われる、が、
一人の女がだらしなく横たわる
 
そこへ親切げな男がやってきて
酒瓶を置いて女を抱いて帰る
 
その後、
紹介されたらしい復員兵が来て、
全財産を差し出して一晩を共に過ごす
どうやらそういう商売の場らしい
 
翌日も若者はやってくるが
金が工面できないという
そこへ盗みを働いた子どもも加わり
3人で奇妙な夜を過ごすことになる
 
疑似家族のように過ごすうちに
それぞれの思惑で勘違いする面々、
ついにその関係性も崩れ去る
 
少年は盗みを止めるよう
彼を我が子のように思う女に諭され
なんとか真っ当な道を探るのだが
隠し持っていた拳銃から
思わぬ事件に巻き込まれていく…
 
ほとんどが店兼住居の暗がりで
そこから外の世界に出た時に
終戦の眩しさが押し寄せる
 
しかしそれは明るい世界ではなく、
誰もが強烈なトラウマを持っていて
それに向き合うことでしか
前に進むことはできない…
 
今調べたらこの監督、
1960年生まれの同世代、
ってことは戦争なんて無縁のしらけ世代
それなのにこの圧倒的な思いは心強い
 
この少年の演技力にも驚いたが
この子が未来であり、
今、
そのまた子や孫が継いでいるべき時代
果たしてきちんと継げているのか
その突きつけられた課題も重たい
 
 
 

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