映画を観たいのに

割引で観に行ける作品がない場合、

いつでも1100円の、午前十時の映画祭はありがたい

ので、今日もまた、TOHOシネマズ日本橋へ

 

  招かれざる客

 

 

映画史に残る作品なので、中身は知っていたが

あいにく見逃していた

 

まだまだ黒人差別が残る1960年代、

リベラルな両親のもとで育ったジョアンナは、

まっすぐな23歳、

10歳以上年上の医学博士ジョンと出会って恋に落ち、

あっという間に結婚の決意をする

 

ヨーロッパへ発つ前にと、実家に立ち寄る二人、

ラブラブな二人だが、ジョアンナは白人、ジョンは黒人、

本人たちの予想以上に、周囲の反応は厳しい

 

黒人の家政婦の猛反対、

母親の混乱とリベラルな新聞社主の父親の葛藤、

なにより黒人の両親の受けるショック

 

だが、そういう事態もまったく意に介さないジョアンナは

差別感情で反対されるとは夢にも思っていない

その潔さまっすぐさが、ジョンは愛おしくて仕方ない

 

二人の素直な愛情が、

スピード結婚に対する反感を薄れさせていく

 

見所は、伝説のこの二人、

スペンサー・トレーシーとキャサリン・ヘップバーン

たぶん、俳優を志す人だったら、お手本になるだろう名演

そして、完成された脚本、

これもまた、脚本家を目指す人だったら、

とことん読み込むことをお勧めする

 

起承転結、舞台劇のような完成度、

古き良き時代の映画作りの定番ではあるが、

決して古臭くない

 

差別はいけない、という確固たる信念があるものほど、

差別そのものの存在を意識するということ、

それに気づいてしまったことの葛藤、

このスペンサー・トレーシーの名演技は心に沁みる

 

今、これを描こうとすれば、

黒人、有色人種ということだけではなく、

同性愛者とかいうことになっていくんだろうけど

多様性を受け入れる第一歩は、

こうした心あるひとの小さな一歩だったんだろう

 

いつも思うが、たった50年ほどで、

黒人大統領が誕生した国の、

たった50年ほど前の非人道的な現実

 

たまたまジョンが優秀な人間だったから、

と言ってしまえばそれまでの話だが、

奇しくも彼自身が、

 差別をしていない、ということを

 示したい人たちが支援してここまでこられた

と言っているように、

世論を味方につけることも時流に乗ることも、

意図せずして、時代のうねりっていうこと

そしてもちろん、こういう作品が生まれることも必然

 

素晴らしい作品に巡り合えて嬉しい

色褪せない名作は世界の宝

映画ファンならずとも、一見の価値あり、

ぜひご鑑賞をっっっっ

 

 

 

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