スウェーデンのバンド・EUROPE(以下同バンドと記載)の 『 OUT OF THIS WORLD 』アルバムを紹介するのは、実は今回で2回目です(一度目の紹介のリンク→ http://ameblo.jp/m-katsubou/entry-11299348273.html )。
なぜ再度紹介しようかと思ったかというと、前回の音楽記事(白蛇さんの「SLIP OF THE TONGUE」の評判が非常に良かったのです。2匹目の泥鰌を狙ったという訳でなく、テーマの音楽を少々細分化して「音楽(不当評価されている作品)」って感じで、私が持っている不当評価されているのでは?と思われるアルバムを再評価していこうと思ったからです。
あとね。評判の良くなかったアルバムの紹介って、いかにも「へそ曲りのかつぼうさん」らしいんですよ(笑)。私を知っている人なら、「へそ曲がり」って所には大いに同意してくれると思います。
この作品は全世界で売れに売れた 「 THE FINAL COUNTDOWN 」 の次回作で、EUROPEのスタジオアルバムとしては通算4作目です。「THE FINAL~」は3作目なのですが、1作目&2作目とはキャラが全く違います。1作目と2作目が 「 典型的な北欧メタル 」 なのに対して、3作目は私に一言で言わせて貰えば 「 アメリカン 」 。個人的にこれには2つ意味を持たせています。「 アメリカ人に好まれそうな音 」であると同時にアメリカンコーヒーみたいに 「 中身の薄い 」 作品って感じで(毒)。
素晴らしい1作目と2作目でEUROPEというバンドにハートを射抜かれてしまった当時純粋な高校生だったかつぼうさんは、「THE FINAL~」アルバムの音楽性のあまりの変化に本当に失望しました。そしてそんなかつぼうさんの失意とは裏腹に、「THE FINAL~」アルバムは売れに売れました。結果、「EUROPEの代表作」となってしまいました。そうでしょうね、音楽をそれほど聴かない人でも「THE FINAL COUNTDOWN」と言う曲は知っていますからね。
好きな曲ではない(ってか、大っ嫌い)ですが、リンクを下に張ります。
http://www.youtube.com/watch?v=9jK-NcRmVcw
ね、知ってるでしょ?
音楽性はともかく、この売れに売れた作品の次回作です。本作を作る時も同バンドにはプレッシャーがあった事でしょうね。バンドのソングライターの一人だったオリジナルギタリストのジョン・ノーラムもバンドを去っていました。この辺は、白蛇さんに状況が似ていますね。
で、彼らは原点回帰をしたのだと思います。1作目&2作目みたいなメロディアスな作品に、3作目のアメリカンなテイストを加えようと。で、完成したのが本作です。
当時大学生だったかつぼうさんは、この作品を予約して購入しました(初回限定のピクチャーCDですよ!)。アメリカンな部分がかなり退き、1作目&2作目のメロディアスさが前面に押し出た本作は、非常にバランスの良い作品だと思いました。
ですが..........。この作品も、評判悪かったですよねぇ.....(苦笑)。このアルバムを初めて聴いたときは、『 1作目&2作目 ≧ 本作 > 3作目 』 でしたが、今では本作がEUROPE最高作品だと信じて全く疑っていません。少なくとも3作目なんかよりはずーっと良い作品だと思います。この考えは変えないでしょう。かつぼうさんがへそ曲がりだからではなく、どう聴いても音楽的に絶対に本作の方が優れているからです。
「え?3作目じゃなくって?」って人に言いたい。EUROPEは 「 激しいロックバンド 」 ではなく、「 メロディアスなロックバンド 」 なのですよ。
以下、全曲紹介です。紹介は前回の紹介とほぼ同じです。
① SUPERSTITIOUS ・・・ 本アルバムからの最初のシングルでプロモーションヴィデオ(以下PV)も作られた作品。キー・マルセロのギターソロも聴きどころのこのミドルテンポで軽快なロック曲は、当時は酷評されました。
http://www.youtube.com/watch?v=5gU5Vg2JokU
② LET THE GOOD TIMES ROCK ・・・ 3枚目のアルバムの、やはり2曲目の「ROCK THE NIGHT」に似ている曲。
③ OPEN YOUR HEART ・・・ 2枚目のアルバム「WINGS OF TOMORROW(邦題:明日への翼)に収録されている曲のセルフカヴァー。曲のアレンジもですが、ジョーイの英語が上手くなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qX4LC1HBmag
④ MORE THAN MEETS THE EYE ・・・ 明るくキャッチーな曲調なのですが、実はこれ「失恋の曲」です。短いイントロからいきなりヴォーカルが入る、ジョーイの歌唱力が楽しめる隠れた名曲。
⑤ COAST TO COAST ・・・ 重厚なオルガンから始まるバラード曲。どんな時でもキミは一人じゃないよ!みんなで一緒に頑張ろう!という前向きな歌詞が良い曲。
⑥ READY OR NOT ・・・ 恐らく本アルバムで評判が一番いいであろう曲。理由は「早いから」です。確かに悪い曲ではありませんが、言われている程良くもないと思います(へそ曲がり)。
⑦ SIGHN OF THE TIMES ・・・ ピアノのイントロが本当に美しい、テンポは遅いですがへヴィーな曲です。バリバリ(死語)のギターが心地よい。かつぼうさんはこんな曲が好きです!
http://www.youtube.com/watch?v=-N7WggzIIaU
⑧ JUST THE BEGINNING ・・・ ってかさ、なんでこのタイトル ( BEGINNING = 始まり ) で、アルバムの後半に収録されているんだろ?この曲が一曲目でいいんじゃねーの?
⑨ NEVER SAY DIE ・・・ CDを聴くとき、イントロの「オ、オ、オーッ!」は一緒に歌ってしまいます。軽快なロック曲です。
⑩ LIGHT AND SHADOWS ・・・ ⑩~⑫はメロディアスの洪水3連発。個人的に、「お楽しみはここからだ!」と思っています。この曲は、重めのサウンドが特徴のドラマチックな曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=k-u0JjmtjyE
⑪ TOWER'S CALLIN' ・・・ 重厚なメロディに飛行機が行方不明になったという重い歌詞を乗せた、アップテンポのロック曲。
⑫ TOMORROW ・・・ 3作目に収録されていた 「 CARRIE 」 なんか足元にすら及ばない、EUROPE最高のバラード曲。歌詞とメロディが本当に切ないです。是非、ピアノ伴奏だけってのを聴きたいです。夜中に聴いたら、マジで泣けます。
http://www.youtube.com/watch?v=qOcQH8LMFjo
本作の重要なポイントは、やはりジョーイ・テンペストのヴォーカルが前面に押し出ている事と新ギタリストのキー・マルセロのプレーですね。速弾きもこなすし、メロディアスなプレーのセンスも良い。ジョン(ノーラム)がギタリストだったら、この素晴らしい作品はできなかったかもしれません。