今回紹介するのは、NBA選手で史上最高の身長を持った選手です。
↑当たり前ですが、デカい方です。何と身長231cm(※)です!「いったい何を食ったらそんなにデカくなるの?」と会う人に何度も尋ねられたであろうその選手の名は、『 マヌート・ボル (Manute BOL、以下マヌートと記載) 』です。アフリカのスーダン出身(現南スーダン)。
今でこそ7フッター(身長が7フィート{=213cm}以上ある選手の事)は珍しくありませんが、マヌートの身長は231cm。そこまで高い選手って、先日引退した中国人選手ヤオ・ミン(229cm)以外はちょっと思いつきません。聞けばお父さんもお母さんも2m以上で、お爺ちゃんは2m40cmあったのだとか。マヌートの出身のディンカ族は、世界一の高身長部族なのだそうです。
何てったって231cmですよ、奥さん(誰?)。あまりジャンプしなくてもダンクできますし、多少ポジションが悪くてもリバウンドだって取れます。さぞや攻撃力があったんだろうなぁ!と思うでしょ?ところが、マヌートって
攻撃は全っ然ダメ
だったんですよ。1985年にNBA入り(ワシントン・ブレッツ)してから7年間、
1試合平均ブロックショット数が1試合平均得点を上回った
のです。個人タイトルは、1988年シーズンに移籍したゴールデンステイト・ウィーリアーズで取った「ブロックショット王」だけでした。ただ、そのシーズンは1試合平均で「4.3本」相手シュートをブロックしたのですが、これは凄いです。いつだったか、オーランド・マジック相手に4回連続して相手シュートをブロックした事もありましたっけ。
攻撃力が全っ然無いのは、ある意味当たり前。何とマヌートは、
NBAに入る前のブリッジポート大学での1年間しかバスケ経験が無い
のです。おそらくNBA入りしても最初のうちは、スラダン桜木みたいに何もできなかったのでしょう。で、
「お前は背が高いんだから、とりあえずゴール前に立ってろ。で、相手シュートが飛んできたら取り合えず打ち落とせ!」
位しか言われていなかった.....訳じゃないですよね、さすがに?
マヌートは色々なところでカッコよく 「 守備のスペシャリスト 」 と言われていますが、実際の彼のプレーを見るととてもじゃありませんが「スペシャリスト」なんて言葉は当てはまりませんよ(笑)。何せゴール下で 「 長い腕をブンブン振り回していただけ 」 でしたからね。まぁ、それが
マヌートらしくて良い
といえるかもしれませんがね。って、全然フォローになってない(笑)ですよね。
スーダンにいた頃に、
槍一本でライオンと勝負して倒した事がある
そうで(!)、屈強でしたが病には勝てず.....。 2010年に帰らぬ人となりました。
現役時代から母国スーダンの現状を憂い、チャリティー(ボクシングもした事がある)をしていたとても良い人でした。
※ 私・かつぼうは以前NBA関連本で232cmと記載されていたのを覚えているのですが、色々な文献を見ると231cmと書いてあるものの方が多いのがわかりました。訂正致します。
今回は本文が逸話っぽくなっているので、逸話は一つだけ。しかもNBA好きなら誰もが知っている事です。
・デンヴァー・ナゲッツにいるセンターの選手、ボル・ボルはマヌートの息子さんです。頑張って欲しいですね。