今日のスケッチ。
佐原。
モーケン族(Moken)とは、ほぼ一年中海上で過ごす海洋民族。
人口2000から3000人。
少な!
アンダマン海、タイ王国、ミャンマー、メルギー諸島の近海に暮らしている。
ミャンマーとタイの政府はモーケン族を文化的に同化させようと試みてきたが、その成果は限られたものである。1990年の報告によると、ミャンマーの軍事政権は一部のモーケン族を陸地に強制移住させたという。
東京新聞によると、現在、モーケン族は海岸沿いに高床式の住居を建てて陸上に定住しており、また、子供たちは内陸の学校に通っているようだ。
私はモーケン族の暮らしを扱ったドキュメンタリーをユーチューブで見た事があるが、最新の物ではなく、昔テレビで放映されたものらしかった。
モーケン族の一家、夫婦と5人の子供たち。
長男は16歳ぐらい次男は12歳ぐらい、一番小さい子はまだ幼児だ。
戸籍も暦もないので、正確な年齢はわからない。
彼等は常に船の上で暮らし、船は漁場を求めて移動して、定住はしない。
漁の仕方は素潜りで銛1本だけだ。
彼等も、現代で生活している以上、現金収入が必要だ。
ナマコが、高値で売れるので、それを市場で売っては、米や服などを買う。
モーケンの潜水能力は驚異的である。
何世紀にも渡って、まさに海で一生を送って来た彼らは、1日のほとんどを魚取りに費やす。 沖合では数十メートルも海深く素潜り。 その潜水能力は、時に10分以上も潜った。
モーケン族の子どもたちは魚やナマコを捕るため、1日の大半を海の中で過ごすが、あるスウェーデンの学者がモーケン族の子どもの目の仕組みがイルカやアザラシに似ていることを発見した。
深くへと潜っていく彼らの目は大きく開かれ、まるで小さなイルカのようだ。
ドキュメンタリーを見る限りでは、彼らからはいつも笑みがみえ、幸福そうだ。
しかし、ドキュメンタリーの最後の方では、中国などから最新設備の大型漁船団が、モーケンの漁場に現れて網漁でごっそり魚をとっていく。
その後には、魚もナマコも見当たらない。
モーケンの将来を危ぶむナレーションで番組を終えていた。
世界で一番幸福な民族とされて、アマゾンのピタハン族のドキュメントを読んだのことがあるが、書かれたのは30年以上前だ。
ピタハン族の村にも宣教師が入り、教会や病院、学校が出来ているらしいから、今では幸福な民族ではなくなっているだろう。
モーケンの幸せそうな家族は、今どうなっているだろう。
ビルマの軍事政権の強制から逃れて、16歳だった長男が家長になって、今でも海の上で暮らしている気がする。