百尋ノ滝、ひゃくひろのたきは、落差約40m。
川苔山の山中、日原川へ流れ込む川苔谷上流部にあり、奥多摩山域でも有名な滝の一つである。
川苔山に初めて登ったのは、50年前、今はない獅子口小屋を通った時に、地図を見て、この小屋に泊る計画をたてれば奥多摩の奥まで歩けそうだなと思った事を記憶している。
獅子口小屋あたりで小雨が降り出し、小屋では綺麗な娘さんが、登山者に名物のワサビをどうぞと売り込みをしていた。
後で知ったが、この娘さんは、若い登山者からは有名で、娘さんに会いたくて、獅子口小屋に泊まる学生さんか多かったらしい。
獅子口小屋を通ったということは、川井駅から大丹波川沿いに登ったのだが、下山はどちらにとったか覚えていない。
百尋の滝を見たなら覚えていそうな気がするので、鳩ノ巣の方に下りたのか。
今日はガールフレンドのスケッチ仲間、あられチャンと百尋ノ滝だ。今日はスケッチのために来ているので、山頂はパス。
スケッチしているうちに、滝から吹いてくる風を受けて寒くなってきた。
百尋の滝は、真冬に氷結するので、有名である。
しかし、奥日光の滝のように、全面凍結するのではないが、真冬にしか見られない氷瀑である。
結氷が進み、蒼い巨大な氷柱が迫り来る景色を見ることができる。
帰りにチェコのお嬢さんから、百ひろの滝はまだまだ遠いかと聞かれた。こういう聞かれ方が一番困る。
あられチャンが、まだ30分はあると答えると、一緒に引き返すことにしたらしい。
山が好きだというから、チェコにも山があるか聞いたら、ポーランドとの国境に高い山脈があり、それが自然の国境になっているらしい。
暑いなら、近くに鳩ノ巣渓谷があるから、そこが涼しいよと教えてあげたが、渓谷には興味がなく、山が落ち着くそうだ。