今日のスケッチ。
展望の尾根。
笊ヶ岳。
裏で誰かが世界の動きを、すべてコントロールしているという陰謀論者がいる。
ヒットラーには、ソ連国家の誕生や第一次世界大戦がおこったのも、世界不況も、ユダヤ人の陰謀だという妄想があった。
そこまで極端ではなくても、世の中は複雑で、これは誰かの陰謀だと思う個別の事件はある。
アメリカのケネデイ大統領暗殺は、ギャングとCIAの一部が結託した事件だという気がする。
日本でも、例えば、豊田商事会長刺殺事件。
最高責任者が殺されたため、豊田商事の集めた金の行方は、今も解明されていない。
犯人のチンピラは誰かに脅かされて、口封じで会長を刺殺したのだと思う。
脅した相手は、チンピラ二人が怯えるような存在、たぶん暴力団幹部だろう。
ケネデイ暗殺犯とされたオズワルドを射殺したジャック・ルビーも、マフィアに脅されていた形跡がある。
金で殺しを頼むより、相手の弱みを握って殺しを実行させた方が確実なのだろう。
ギャングもヤクザも同じ発想をする。
田中角栄が逮捕されたロッキード事件。
事件そのものは陰謀でもなんでもないと思う。
田中が受け取った金額が5億円、児玉誉士夫の受け取った金額は21億円で、児玉の金が主脈である。
ところが、一部解明されたのは支脈の田中ルートだけである。
児玉は直前に脳梗塞の後遺症のために重度の意識障害を起こし、国会の証人喚問に応じることができなかった。
結果、東京地検の捜査対象は丸紅ルートに集中し、「角栄逮捕」の流れにつながっていく。
実はこの脳梗塞の診断書は、玉氏の主治医・喜多村孝一東京女子医大教授が偽造したものだった。
喜多村教授の側には、そうせざるを得ない事情があったようだ。
私も当時、あまりにもタイミングのいい発病で、疑いを持った記憶がある。
児玉の証言が得られなかったため、東京地検は狙いを田中一人に絞り、逮捕に全力を傾けた。もし当局が児玉ルートにも切り込んでいたら、ダメージを受けたのは児玉と親しい中曽根だったはずだ。
そうなれば、後に中曽根内閣が実現することもなく、政治の流れも変わっていただろう。
児玉が死んだとき、ホッとした政治家、ジャーナリストはたくさんいただろう。
今日の絵はがき。
高尾山4号路。