香水zoologist 「moth」レビュー | M.jayのブログ

M.jayのブログ

多様性の中にこそ美しさと強さがある〜マヤ アンジェロウ

人間らしく動く、動けるからだを作ることを目的としたクラスを宮城県仙台市、富谷市、大和町にて開催しています。

M.jay表現者ー光と影をテーマに身体表現しています

香りの投稿が続くと思いますが

凝り性なので大目に見てください^ ^


さて

ついに手を出してしまった

ズーロジスト「動物学者」のフレグランス


今回は「moth」について


モス「蛾」



蛾の香水って?


気持ち悪いって思うかもしれませんが

わたしがなぜこれに惹かれたかというと

このような文面があったからです


彼らは孤独な日々を過ごしている。暗くて重いスパイスで始まり、主食の甘い蜜の官能が過ぎると、相手探しのエキゾチックな旅が始まる。唯一の誘惑「炎」に惑わされた時、たちまち命は一筋の煙となる。

調香師は日本人で稲葉 智夫さん


みかきもり
衛士のたく火の
夜はもえ
昼は消えつつ
物をこそ思へ


昼は抑えていた恋心が、夜になると篝火のように燃えだし、この身を焦がしていく


大中臣能宣が詠んだ有名な百人一首の和歌をモチーフに考えたそうです。


真っ暗な中に浮かぶ真っ赤な炎をテーマに、作っていた香りの印象が燃えた樹木に集まってくる蛾をイメージさせるということでMothになったようです。


なんとドラマチックなんでしょう


そうやって

叶わぬ恋心と

炎に自ら飛び込むのか?

炎に引き寄せられるのか?


最後は一筋の煙となる運命だとしても

それが蛾の生涯


蛾って成虫になったら

口が無いので食べないらしくて

生殖行為をして命が尽きるらしいです


こうやって生態を知ってみると

まさにこの句にピッタリですね



さて問題は香りです


わたしの第一印象です


昔の薬箱をあけたような香りが前面にきます

その中にフローラルな香りもあるような、


スパイシーと言ってしまえばそれまでだけど

ちょっと古い香りというか。。。



それで

一瞬で忘れていた昔の記憶を思い出しました



赤紫の夕暮れに不安と恐怖を感じていた、小学校低学年の頃のおばあちゃんの家に行った時の事


あの頃は

何とは言えない恐怖や不安があったのだということを思い出したのです


ああ

あの頃の自分に話しかけるとしたら

「大丈夫

生きるとは今、

目の前のだけのことなんだよ。」

と言いたい

と思ったのです


このトップノートは正直

いい香りとは思わなかったです


スパイシー系の香水も持っていますが

今までの香水では嗅いだ事が無い香りなので、どの香りが今、鼻に届いているんだろう?と

香りを嗅ぎ分けることが難しい感じです


トップがあまりにもすごいので最後の最後まで同じような感じだなと思ったのです


しかし

この香水を寝香水として使った

3日目


眠りの中でようやく理解できたのです


最初は薬品っぽくスパイスが薫っていますが

その後

とってもいいフラワー系の香りに変わります


そして

最後は燃えてる香りになりました


燃えてる香りなんですが

わたしが想像した煙の香りっていうのは

蚊取り線香のような煙たさだと思ってたので、嗅ぎ分けられなかったと思うのですが、

燃えてる香りは

焚き火、薪が燃えるときのような酸っぱいような甘さがある煙たさでした


万人受けする香りではないからこその

唯一無二な存在感のあるフレグランスです


寝香水として

夏にぴったりの香り


現在は日本もカナダも売り切れになっている香りですので

大切に使おうと思うのでした


それに

これからも感じ方が変わると思うので

それも楽しみの一つです


  • トップ|ブラックペッパー、シナモン、クローブ、クミン、レモン、ナツメグ、サフラン
  • ボディ|ヘリオトロープ、アイリス、ジャスミン、ミモザ、スズラン、ローズ
  • ベース|アンバーグリス、ハニー、レジン、ガイアックウッド、ムスク、ナガルモタ、パチョリ、スモーク、ベチバー

  • 次回はウサギかな