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涙でいっぱいの顔をあげて涼太を見た。


今まで見たことない

不安で寂しげな涼太の表情を見て、


心がギュッと痛んだ。



不安だったのは自分だけじゃなかったこと。

気づいた時にはもう遅く…



自分のことしか頭になく

こんなに泣いて

涼太を困らせた自分は最低だった。



いと『私がごめんだね。

りょうた。ごめんね。』



今すぐにでも涙を流して

涼太を困らせたことを

なかったことにしたかった。


涙を拭いて

普段通りの自分で涼太へ尋ねた。



いと『県外ってどこ行くの?』


涼太『◯◯県』



いと『離れちゃうね…

でも、私は大丈夫だよ!!

涼太のサッカーが大好きだし

これからも応援したい!


泣いてごめんね。

もう泣かないよ!大丈夫!大丈夫!』



自分に言い聞かせる様に涼太へ伝えた。