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前話







涙が溢れてきた。



『いと…?』



いと『バカだったね。

頑張れよって言われたくらいで

1人で浮かれてた。


また前みたいに話せるかもって

思ってしまった。


なんで…なんで…

あの野次馬の中に涼太もいるの?



涼太もおもしろがって見てたってとこ?

私が涼太のこと好きなの知ってるのに?


どうして?


杏も見たでしょ?

涼太ハチマキ渡してたよねぇ…



酷すぎるよ。






分かってる。分かってるよ。

涼太がモテることも…

私の片想いだってことも…


分かってたけど…


辛すぎるよ・・・。』




両手で顔を覆って泣きじゃくるいと…

手と頬の間から次々に涙がこぼれ落ちる。




慌てた古屋が…

古屋『ちょっと!俺涼太連れてくるわ!』


杏・いと『やめて!』


いと『ごめん。古屋…

涼太には何も言わないで…

ありがとうね。』



そして…しばらく杏に側にいてもった。

14歳…秋…

いとの大好きなあの道の木々は

少し葉っぱが色をつけ始めてた。


冬が来る。