
Chateau Clerc Milon 1996
ふんだんにオークが使われており、大量のトーストや果実味が 感じられる1996年は、以前のヴィンテージのものより重々しく 凝縮感がある。色は濃いルビー/紫色で、ブーケはローストした コーヒー、タバコ、ジャムにしたようなカシスの趣を感じさせる。 驚くほど柔らかい、豪勢なアタックだが、中間部やフィニッシュ にはこのワインのフルボディや、風味の高い抽出度、ほどほどの タンニンが見られる。この完全な、スケールの大きいクレール・ ミロンは、2005年~2018年に最上の時を迎えるはずである。
【色】赤
【葡萄品種】カベルネ・ソーヴィニヨン46%、メルロ35%、カベルネフラン15%、プティヴェルド3%、カルメネール1%
【味わい】フルボディ
【アルコール度数】15%未満
【育て方】発酵は21℃に温度管理されたステンレスタンクで15~22日間。
熟成は新樽約30%で16~18ヶ月。清澄と濾過については詳細不明。
【産地】フランス/ボルドー/オーメドック
【統制産地呼称】ACポイヤック
【格付け】グランクリュ第5級
パーカーポイント 90!
飲み頃:2005~2018
《ラベルにまつわる物語》
このワインのラベルには一組のダンスをする若い男女が描かれていて、これは結婚式を挙げたばかりの二人だといわれていますが、その楽しそうなラベルの裏には、悲しい愛の物語が秘められている事は、あまり知られていません。
ロートシルトとは、英語読みでロスチャイルド(大富豪一族)を意味します。このロートシルト家を若干20歳で継いだのがフィリップ男爵でした。
フィリップ男爵は最愛の妻リリーと娘フィリピーヌに囲まれ、若いシャトー主として幸せに過ごしていました。
しかし、幸せもつかのま第二次世界大戦によって大きな不幸がフィリップにふりかかりました。ユダヤ系の大富豪であったロートシルト家はナチスドイツからの迫害を受けて、幸せだった一家は離散してしまします。
フィリップは難を逃れてフランス軍に、妻リリーはゲシュタボに捕らえられてしまい、娘フィリピーヌは行方不明、ワイナリーも没収されてしまいました。
戦後父と娘は劇的な再会を果たしたのですが、妻リリーは収容所で悲惨な死をとげてしまっていました。
フィリップ男爵の悲しみは深く、よほど妻リリーを愛していたのか中々立ち直れなかったそうです。そんな彼を救ったのは二度目の妻ポーリーでした。
このポーリー夫人の多方面に渡る活躍でついに1973年に格付け第一級に昇格することが出来たのです。
一方、もう一つ所有していた畑では娘のフィリピーヌが大切にワインを造り続けていました。それが、シャトー・クレール・ミロンです。
そして、このラベルに描かれている二人は結婚直後のフィリップと最初の妻リリーであると言われているのです。
楽しそうに二人が踊っているラベルの裏に、この様な悲しい物語を持つワイン、それがシャトー・クレール・ミロンなのです。
《シャトー・クレール・ミロンについて》
1970年にムートンの故バロン・フィリップ・ドゥ・ロートシルト男爵が買収。以前はクレール・ミロン・モンドンと言う名前でしたが、現在の名前に改名しました。所やブドウ畑を改修し、一気に評判を高め、近年さらに品質が向上しています。
レール・ミロンのミロンは旧村名に由来します。葡萄品種別の作付割合はカベルネ・ソーヴィニヨンが5割弱,メルローが3割強,カベルネ・フランが1割強,プティ・ヴェルド,カルムネールが少々となっています。年間生産量はおよそ20万本。畑の面積は30haで,葡萄の平均樹齢は約38年と古木の割合が高いのが特徴。
所有者:GFAバロンヌ・フィリッピーヌ・ド・ロートシルト
第1級格付けの「ムートン・ロートシルト」と「ラフィット・ロートシルト」の間というよい立地に恵まれているシャトー!
1985年以降のワインは相当よくなってきており、1995年以降は一貫して秀逸なものとなっている。
ポイヤックで最もフルティーで食欲をそそるワインの1つ。
フランスにおいて高い人気を誇っているワイン銘柄は多くありますが、シャトー・クレール・ミロンなどの銘柄は、外交的なワインという認識を持たれていて、オープンな印象があります。シャトー・クレール・ミロンは、格付けとしては第5級という位置づけがなされていますが、品質が低いということは決してなく、多くの人々を魅了している銘柄の代表です。
シャトー・クレール・ミロンは、ボルドーの銘柄として人気が高いですが、特にムートンとラフィットとの中間に位置していると言われる点に注目です。非常にフルーティーで、食欲がかき立てられるワインとして愛飲されています。その価格はリーズナブルで、手軽に飲むことができることも人気となっているポイントです。
シャトー・クレール・ミロンが高い品質を誇っているのは、地質にも恵まれていたからです。クオリティーの高いワインを産み出すには、それなりの土壌が必要になりますが、シャトー・クレール・ミロンの造られる土壌は、高品質の条件を十分に満たしていたのです。そして、醸造所・ブドウ園の整備が進んでいったことで、更に良いワインが造られるようになっていきました。シャトー・クレール・ミロンの評判は、年々高まっています。