

SASSICAIA 2010
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン 85%、カベルネ・フラン 15%
パーカーポイント96点
2010年サッシカイアでは、春に気温が寒く雨が多かったことから、
ブドウの生育は遅くなりました。
しかし、夏に昼夜の気温差が激しい状態が続いたため、ブドウは緩やかに成熟。
収穫は例年より2~3週間遅れたものの、
糖度とアルコール度数、タンニンのしっかりとしたブドウが収穫できました。
濃いルビー色に熟したブラックベリーを砕いたかのような、活き活きとした黒系果実のアロマ。
スミレの花やミネラル、そして新樽からのバニラの香りや、
クローブやタイムなどのフレッシュハーブ、カラメルなどのニュアンスが感じられます。
口に含むと、繊細かつベルベットのようなしなやかなタンニンと、
果実の凝縮感溢れる味わいがあり、
キレイな酸とともに絶妙なバランスで長い余韻を支えてくれています。
そのエレガントで長く続く余韻からは、
長期熟成のポテンシャルをしっかりと感じ取ることができます。
偉大な2009年ヴィンテージと同様に果実の凝縮感溢れる味わい。 2009年と比較すると、タンニンは堅く引き締まっており、溌剌とした酸を感じる仕上がりです。つまり、飲み頃を迎えるには時間が掛かりますが、2009年よりも長期の熟成が可能です。
飲み頃:2018~2040年
《サッシカイアについて》
若い頃から高貴なワインを造ることを夢見、とりわけ
ボルドーワインを好んだという、故マリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵。
この侯爵が領土であるテヌータ・サン・グイドに、
シャトー・ラフィットのロスシルド男爵から贈られた
カベルネ・ソーヴィニヨンを植えてみたことから、サッシカイアは始まりました。
このサッシカイアがあるのは、ティレニア海にめんしたトスカーナ州マレンマ地方のボルゲリ地区です。土壌がボルドー地方グラーヴ(“砂利”の意)地区に似ていることから、トスカーナの方言で“石の多い土地”を意味する「SASSICAIA(サッシカイア)と名付けられました。
~テロワール~
シエナから、真っ直ぐ西へ、トスカーナを横断するように進んだ海沿いのエリアがボルゲリです。 南北に細長くひろがった『マレンマ』と呼ばれる地域に含まれ、キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは異なる地中海性の温暖な気候が特長。 年間を通して温暖で常に海からの風を受け、さんさんと降り注ぐ陽光のおかげで日中は暖かく、夜は海風の影響で冷え込みます。この温度差がブドウの凝縮感を高めながら、肉厚でジューシーな果実を育てます。雨が少ないため収穫前の心配もあまりなく、キャンティやブルネッロのサンジョヴェーゼよりも、2週間ほど早く収穫ができます。
さらに土壌にも特長があります。もともとは湿地帯だったマレンマの土地は砂質、石灰質、粘土質が入り組んでおり、海に近いことによりミネラル分も豊富。ゆるやかながら起伏があり、日当たり、水はけなどを考え合わせると、とてつもなく入り組んだミクロ・クリマとなります。 実は、サッシカイアのブドウ畑は広い敷地の中に点在しています。それは様々な土壌の中で最適な場所を選んで、ブドウが植えられているからなのです。このミクロ・クリマが、多様な国際品種の適正も受け止め、自由なワイン造りを実現させています。
イタリアを代表するワイン、サッシカイア。フランス・ボルドー地方の品種、カベルネ・ソーヴィニヨンをイタリアで成功させ、「スーパータスカン」という新ジャンルを確立した先駆者として伝説的な存在です。そのワインは、1978年にロンドンで行われたテイスティングにおいて、ボルドーの格付け1級シャトー、マルゴーなどを押さえて1位となり、伝説となりました。サッシカイアはフレンチオークで24ヶ月、瓶内で6ヶ月熟成。芳醇で濃厚、複雑でエレガントな味わい。硬い骨格は健在ながら絹のような細かいタンニンの中に旨みのあるエレガントなワインです。
長期熟成はもちろんの事、早くから楽しめるスタイルです。