
Calera Jensen 2009
【産地】アメリカ/カリフォルニア
【生産者】CALERA・JENSEN
【タイプ】赤ワイン/フルボディ
【品種】ピノ・ノワール100%
【評価】パーカーポイント97点
2009年ヴィンテージのジェンセンは、とてもリッチで構造の大きな造りが特徴。
黒系果実、リコリス、スパイスや甘いバルサミコなどの香りが弾けます。
層の厚い、みずみずしい果実味が口の中に広がり、
圧倒的に豪華なピノ・ノワールの味わいは、
はっとするほどシンプルですが、美しく深みがある仕上がり。
飲み頃:2014~2029年
《テイスティング 参考》
◎色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
甘く煮たラズベリーやイチゴのジャムペースト、濃厚で甘みの強い果実味。僅かに黒胡椒。スミレのアロマオイルや若い葉、茎、舐めし革を中心に、濡れた樹皮、トリュフ、クローヴなどのスパイスの香りも。
全体的にカリフォルニアの日差しではなく、ブルゴーニュの匂いを感じさせる造り。アメリカ的な甘ったるさは無く、どちらかといえば華やかさや複雑さを主軸にしている。しかしながら果実の凝縮感は非常にアメリカ的。
ぎゅっと目の詰まった果実味が素晴らしい。ブルゴーニュと比べるとタンニンはやや強め。ただし、抽出の強いタイプではなく、果実による豊富なタンニンと酸が特徴的だ。ブルゴーニュの良さとカリフォルニアの濃厚さを折半した非常に出来の良いカリピノ。(2012)
《カレラのワインについて》
1960年代にエール大入学後、オックスフォード大に留学し人類学を修めたジョシュ・ジェンセンは、留学先の英国にてブルゴーニュワインに魅せられ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティの門を叩きました。運良くDRCでアルバイト をすることになったが主な仕事は通訳と収穫だった。
1971年 デュジャックで醸造に関わる。
フランスでワイン造りのいろんな経験を得た彼はアメリカに帰国し、ブルゴーニュのコート・ドールに似た土地を二年かけて探し、ようやくサンフランシスコから南に150キロ、大西洋から40キロメートル内陸に入った、カリフォルニアで最も高い標高 2,200フィートのマウント・ハーランの頂上近辺に豊富に石灰質が露出した冷涼な土地(元採石工場)を見つけ出した。
1975年には、テロワールが少しずつ違うパーセル、 リード・ヴィンヤードに4.4エーカー、セレック・ヴィンヤードに4.8エーカー、ジェンセン・ヴィン ヤードの13.8エーカーのそれぞれにピノ・ノワールの葡萄を植えていきました。
1977年1000フィート低い場所に電気と電話の使用可能な醸造所を購入し、 葡萄を山の頂上まで車で運び、平地の醸造所で行われているポンプで汲み上げ たりするのではなく、テラスの段差を利用した重力流動ワイン醸造所を造り始めます。
1978年から生産量は少ないけれどカリフォルニアにおいては上質なピノ・ノワールを 造りはじめました。
1983年には2.2エーカー(1989年に3.1エーカー追加)だけ白葡萄品種の“ヴィオニエ”を植樹する。 カリフォルニアにおいてヴィオニエという葡萄品種を選択した最初のワインメーカーです。
1984年に4番目のパーセルとなるミルズ・ヴィンヤードに 最初の“シャルドネ”を6エーカー植樹する。
1997年にド・ヴィリエ(2007年リリース)、1998年にライアン(2002年リリース)にてピノ・ノワールを栽培しています。
まだ35年程しか経たない“ジョシュ・ジャンセン”氏が手がけた『カレラ』ですが、今や「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と呼ばれるようになり、アメリカ国外、 世界中のワイン愛好家に知られるようになりました。
◎Calera Jensen (カレラ ジェンセン)
父・スティーブン・ジェンセンにちなみ命名。1975年に植えられた13.8エーカーの土地。父・スティーブン・ジェンセンにちなみ命名されました。方位の異なる4つのブロックで構成され、太陽を満遍なく吸収できる畑。非常に凝縮された小さな果実をもつぶどうが収穫される。しっかりとした骨組みと滑らかなタンニンをもち、バランスにすぐれたワインになる。生産量が最も多いのはジャンセン。
◎RYAN(ライアン)
1979年からカレラでヴィンヤード・マネージャーとして長年醸造に関わってきたジム・ライアンから命名。標高2500フィート(762m)とマウント・ハーランの畑のなかで最も高く、もっとも冷涼な畑。柔らかく華やかな香り。1番の特徴はスパイシーさ。それでいて初心者もワイン通も満足できるピノ・ノワール。
◎Calera De Villiers (カレラ・ド・ヴィオニエ)
「ロマネ・コンティに挑むカレラ・ワイナリーの物語」著者マルク・ド・ヴィリエ氏に敬意を込めて命名。ジェンセン、セレック、リード、ミルズ、ライアンに加わる第6の自家畑。ジェンセンの西、ミルズの北に隣接し、午前中の陽光を浴びる斜面に位置する。
◎Calera Mills (カレラ ミルズ)
カレラの畑となった産地の採石工場を営み、ワイナリーの土地買収の際に協力してくれたジョン・エヴェレット・ミルズ氏から命名。標高2200~2300フィートのハーラン・クリークへと傾斜する南西に面した穏やかな斜面。接木をしないオリジナルの台木のままで栽培。ピノ・ノワールのピュアな味わいでタンニンがしっかりしているのが特徴。
◎Calera Reed (カレラ リード)
ワイナリー設立時に家族以外の唯一の出資者で経営難の時も常にジョッシュを支えてくれたビル・リードから命名。北~北東に面し、毎年一番最後に熟すヴィンヤード。腐葉土で覆われた黒い粘土質の土壌。カレラの単一畑のなかで最も柔らかなピノ・ノワールが収穫されるといわれています。濃厚さはありませんが、奥ゆかしく繊細な味わい。
◎Calera Selleck (カレラ セレック)
ジェンセン一家の友人にして歯科医師、ジャンセンにロマネ・コンティを勧めピノノワールに目覚めさせたジョージ・セレックから命名。最も石灰岩の割合が多く南及び南西向き斜面の非常に日当たりが良い畑のため、最も骨格がしっかりとして複雑味を帯びた味わいをもたらしている。ワインを形成している要素が幾重にも感じ取れ、繊細で、熟成が緩やかに進むのが大きな特徴。
《カレラの由来》
カレラとはスペイン語で石灰窯を意味します。実在する石造建築「カレラ」は100年以上前に切り出された石灰岩で造られており、カレラ・ワイン社のシンボルであり、ロゴになっている。