懐かしい外伝-相撲編②
【実録大相撲一番勝負Ⅱ】
力士の人数と状況を説明しておこう。
泥酔した下っぱ力士A(1名)
その同格同僚がB、C、D、E、F(5名)
先輩と呼ばれている力士Z(1名)
まぁこんなところだ。
泥酔した下っぱが絡んでいる…。
A『俺が悪いってんなら殴れ!!』
かなりの大声だ……。
B『おい!Aお前飲み過ぎだぞ!(怒)先輩に謝れ!』
A『先輩!何でわかってくんないんですかぁ?えぇ?』
Z『わかってるから落ち着けっ!口説いぞっ!』
A『だったら殴ってくれや!』
俺はその話を聞きながら、鏡越しに様子を見守るしかない……。
ガシャンっ、パリンっ!
とうとうテーブルからグラスが落ちて割れた。
C『いい加減にしねーか!』
と言いながらAの頬を平手打ち、いや、あれは張り手だ!
始まった、遂に知り合いの店で、しかも俺の真後ろで乱闘か…。
A『何だ?その張り手は?』
同僚誰等関係なくAが暴れだした。
(秀二郎心の声)
『普通なら知り合いの店で人が暴れていたら止める…しかし…相手は力士、しかも大勢いる…、いや、だが俺も根性だけは負けない、いや、相手は力士だ…』
心の葛藤が続いていた。
(ただビビってるだけだが。)
そんな秀二郎の表情を見ていたママがこっそりつぶやいた。
ママ『秀ちゃん、ゴメン、堪えて…喧嘩はしないで…』
秀『ママ、わかってるから!』
本当は怒りよりも焦っていた秀二郎は、心から思っていた。
(心の声)
……こんな奴等と喧嘩なんか出来るか!ママ、あんたマッチポンプか!相手は力士だぞ!でもそんな事言えない…、よしっ、今日は大人になって我慢している設定にしよう……と。
この後、乱闘被害が秀二郎に飛び火し、ついに秀二郎を本気にさせてしまう事など、この時は誰一人として知る由もなかったのだった。
つづく…
実録大相撲一番勝負Ⅱ完