修羅の痔獄-分裂編- | 水元秀二郎オフィシャルブログ「秀二郎の独り言」Powered by Ameba

修羅の痔獄-分裂編-

前回のあらすじ
 
全国規模の巨大組織白竜会の直参になった水元秀二郎(40)は、相変わらず桃尻抗争の終結の目処が立たずに苦戦していた。しかも痔を侍と勘違いして男道を進んでいた。
 
【修羅の痔獄-分裂編-】
 
抗争の中心人物、秀二郎(40)は、今日もリーゼント頭にタバコをふかしていた。唯一今までと違うのは、白竜会の末端と言えども直参になった事だった。喜びもあり、いつもよりタバコが進む。
 
秀二郎『あ~、俺も念願の一家持ちかぁ、明日は飛行機で花の都大東京にある白竜会本家へ挨拶にも行かなきゃいけない日だな。』
 
東京都の中心部の一つ
港区赤坂に白竜会本部と本家が要塞の様にそびえ立つ。秀二郎は一家を構えてからはまだ挨拶に行っていない為、白竜会長はもちろん、最高幹部、執行部も揃う定例会に出席が決まっていたのだ。
話は戻り、秀二郎自宅
 
秀二郎『よし、定例会前にスーツも用意したし、風呂にでも入るか。』
 
まだ抗争中なので気を付けなくてはならないが、下着をサクサク脱ぐと自慢の風呂へ飛び込んだ。
 
ザッパーーン!!
 
秀二郎『やっぱ風呂は湯船だぜ!シャワーだけとか俺はごめんだね…』
 
と言い終わる前に抗争が始まった。
 
秀二郎『ギョッ!ひぇ~!!』
 
悲鳴というよりは、最後の方はファルセットで裏声になりきれいに消えて行く感じの声だった。
水元組本家の風呂はこだわりで作ったラブホにある様な丸い形の浴槽になっており、ジャグジーやLEDまでレインボーに光るというこだわり抜いた風呂なのだ。
その湯がまず肛門に染み、肛門というよりは拷問になっていた。
あまりの痛さに秀二郎は無意識にお尻を浴槽から出し、形的には四つん這いでケツだけ湯から出している、いわゆる(モー)した状態になっていた。前に付いている茄子とジャガイモは、スーパーに売ってある生姜の様に固着していた。これが更に惨事を招く。手が滑り、肘がジャグジーのスイッチをONにしてしまい、4ヶ所からのジェット噴射が勢いよく飛び出した。
 
グォ~~ブクブク…
 
激しくケツに当たるジェット噴射。
 
秀二郎『グェッ!ぎゃあ~!会長~!』
 
近所が警察を呼ぶ程の声で叫んでいた。ジェット噴射がモーしていたケツに直撃、せっかくを我慢し流血を治しにかかった矢先にまた流血をしたのだった。あまりの痛さにまた白竜会長の顔や激励の言葉を思い出し咄嗟に出た言葉が会長だった。
湯船はジェット噴射で湯がまわっている為、気が付けば見た目には綺麗な赤いワインでも入れた様な湯色になっていた。
 
秀二郎『ん?待てよ、俺は組長だった。若い衆を呼ぼう。』
 
まずは副組長のタカブーに電話する。
 
タカブー『お疲れ様です。どうしました?』
 
秀二郎『実は風呂でまた抗争が勃発してな、すぐ来てくれるか。』
 
タカブー『組長すみません、今宝石を運んでいまして、お大事にいやお大痔にされて下さい。ご苦労様です。』
 
そういうと電話を切った。
 
秀二郎『おいっ!もしもしっ!もしもーし!』
 
電話が切れてる事に気付いた秀二郎はキレていた。ケツもキレてるが頭のテッペンまで怒り心頭だった。
 
秀二郎『仕方ねーな、頭に電話しよう。』
 
荒川『お疲れすっ!』
 
秀二郎『おう荒川…以下同上文』
 
荒川『組長、今客多いんですよ、また。』
 
ツーツーツー
 
秀二郎『こいつらどいつもこいつも。たくっ。よし石井だな、こいつは忠実な奴だからな。』
 
とまた電話をかける。その姿は職権濫用、またはパワハラにも見える感じだった。
 
プルルル…プルルル…プルルル…カチッ、留守番サービスセンターへ
ピッ…
 
秀二郎『出ない……こいつら組を何だと思ってやがんだまったく。残るは井口か。』
 
また電話をかける。
 
井口『ご苦労様ですっ!』
 
秀二郎『お~井口、実はな、以下同上文説明』
 
井口『アハハハハハハ痛いんでしょうねぇ。自分わかんないっすけど、抗争爆笑すね!』
 
秀二郎は自ら切った。
 
秀二郎『こ、こい、こいつら~絶対許さねぇ』
 
秀二郎の怒りは頂点に達していた。血の気の多い秀二郎はマジで頭に血が上っていたが、ある意味ケツに火もついていた。
 
秀二郎『ぜ、全員破門だ!』
 
一夜にして水元組は事実上解散したのだった。しかし秀二郎は困っていた。白竜会本家の定例会、一家名乗りをし、せっかく直参にしてもらったのに若い衆が一人もいない。これではまた準構成員の一匹狼に逆戻り、恥ずかし過ぎる。
 
秀二郎『このままじゃ白竜会長から男としての、侍としての力量を笑われちまう。定例会までに何とか若い衆の確保をしなくてはな。』
 
秀二郎は足りない頭で考えた。毎回考えると、ろくな結論が出ないのに学習能力ゼロで考えた。
 
秀二郎『よしっ!あそこに行くしかねぇ!』
 
秀二郎は痛いケツをかばいながら熊本駅へ向かうと岡山県へ向かった。
 
…とある店
 
秀二郎『すみませ~ん!きび団子ください!』
 
秀二郎は、きび団子を買うと海が見える広場に腰を下ろし、きび団子を広げた。
 
-分裂編-【完】