枯れ葉剤の原料 漏れ出す懸念も 負の遺産をどうする?
「2,4,5-T」を知っていますか。
猛毒のダイオキシンを含む化学物質で、ベトナム戦争でアメリカ軍が散布して多くの被害を生んだ 枯れ葉剤の原料になりました。
実は、日本各地の森林に今も埋められています。
近年相次ぐ豪雨災害などによって、漏れ出すリスクが懸念され始めています。
1980年代には、林野庁の規定と異なるずさんな方法で埋設処理をしていた愛媛県、高知県などで「2,4,5-T」が実際に漏れ出していたことが判明しています。
中には、ダイオキシンの環境基準の100倍を超える土壌汚染が確認された箇所もありました。
国はその後、検討会を開きましたが、「周囲に拡散しておらず住民生活への影響はない」と結論づけ、埋設の継続を決定しています。
林野庁は“「2,4,5-T」はコンクリートの塊で埋設されているため、掘り出すには砕く必要があり、中身が飛散するおそれがある”として撤去を見送ってきました。
そして、年に2回 各地で目視による定期点検を行って安全な状態を確認していることから、問題はないとしてきました。
今も全国46か所に埋設されている
こうして、日本の地中に埋められることになった「2,4,5-T」。
今も15道県、46か所に埋められたままの状態が続いており、その総量は薬剤として約26トンにのぼっています。
「2,4,5-T」が埋設されている自治体
▼北海道:夕張市、遠軽町、音更町、清水町、標茶町、本別町
▼青森県:中泊町
▼岩手県:久慈市、野田村、雫石町、岩泉町、宮古市、西和賀町
▼福島県:会津坂下町
▼群馬県:東吾妻町、昭和村
▼愛知県:設楽町
▼岐阜県:下呂市(2か所)
▼広島県:庄原市
▼愛媛県:久万高原町、宇和島市、松野町
▼高知県:四万十町、いの町、大豊町、土佐清水市
▼佐賀県:吉野ヶ里町
▼熊本県:熊本市、宇土市、芦北町
▼大分県:別府市
▼宮崎県:日之影町、西都市、宮崎市(2か所)、小林市(2か所)、都城市、串間市
▼鹿児島県:肝付町、湧水町、伊佐市(2か所)、南九州市、屋久島町
ベトナム戦争でアメリカ軍が散布した枯葉剤が
この日本各地に埋められている? 何故?
枯葉剤の原料である「245T剤」
「最も毒性の強い人工物」とも言われ
猛毒のダイオキシンを含む化学物質
発がん性や胎児への影響などが指摘
245T剤は1964年に除草剤として登録され
1967年から福岡県大牟田市の三井東圧化学
で生産がはじまった
245T剤は 通常のステップを踏まずにつくられ
殆どが輸出用
アメリカ企業が枯葉剤の責任を問われた裁判の
記録には
調達先の一つとして三井物産の名が記されていた
ベトナム戦争で使用された枯葉剤は
三井化学大牟田工場でつくられていたことが
明らかになった
1970年 アメリカは枯葉剤(245T剤)の使用を禁止
それに伴い 翌1971年 日本も使用を中止した
そこで 国は余った245T剤を全国の国有林に
1区画300Kgを上限にコンクリート塊にして
埋めるよう指示した
29ヵ所で規定を超える245T剤が埋設されている
ことが判明
国が掘り起こして調査したのは9ヵ所のみ
そのほかは50年経った今も土の中に埋まっている
コンクリートの寿命はおよそ50年といわれている
ここ最近の豪雨災害で245T剤が漏れ出すのでは
と懸念されている
林野庁は“「245T剤」はコンクリートの塊で
埋設されているため 掘り出すには砕く必要があり
中身が飛散するおそれがある”として撤去を
見送ってきた
年に2回 各地で目視による定期点検を行って
安全な状態を確認していることから問題はないと‥‥
そもそも枯葉剤を生産しアメリカへ輸出していた
なんて初めて知りました
その枯葉剤がベトナム戦争で使用されてたなんて
日本の枯葉剤によって 今もなお大勢の犠牲者が
出続けている
日本がベトナム戦争に関わっていたという事
になりますよね
日本政府がこの問題について
どう対処して責任を取るのか
見届けたいですね