久しぶりにRCについてです。
RPM社は、二輪のマフラーメーカーとして知られておりますが、昔RC事業に参入していた時期がありました。
代表的なパーツに「RPM MICRONモーターマウント」があります。
無垢のジュラルミンからワンピースの削り出しです。今でこそ、NC加工のパーツはそう珍しくないと思いますが、当時はインパクトありました。
初めてこの広告を見たとき、ベアリングセンターやモーター固定位置を下げるという1/12EPレーシングのシビアなセッティング、それに無垢材削り出しワンピースの精密さと美しさ、そして何よりも、その価格に衝撃を受けました。
RPM社が、月刊総合ラジコン雑誌『ラジコン技術』において初めての広告を出したのは、1985年8月号のことです。
広告から各メーカー当時販売ラインナップ
p.194
ハンドクリーナー「ピットマンソープ」の広告でした。
同号新製品ホット情報から
レーシングパーツの広告が出たのが、1986年1月号から
広告から各メーカー当時販売ラインナップ
「RPM MICRONモーターマウント」と「プラズマ用FRPフレーム」。
どちらもNC加工で製造です。モーターマウントは、京商と無限の1/12EPレーシング用をラインナップ。
どちらもNC加工で製造です。モーターマウントは、京商と無限の1/12EPレーシング用をラインナップ。
同号新製品ホット情報から
偶然にも、同コーナーでは京商純正引き物モーターマウント発売の記事がありました。(純正は、マウント中央部パーツが鋳物でしたね)
両者の価格差がスゴすぎます。
1986年9月号
開発中の1/12EPの先行レポートが紹介されてました。
個性的な超幅広シャーシ。
まだ、プロトタイプということでした。
当時はどのメーカーのマシンも、シャシーやサス機構にオリジナリティなエッセンスが盛り込まれ、どこのメーカーだかすぐ分かりましたね。
見ているだけで、ホント楽しかった。
RPMのプロトタイプも、Rオイルダンパーマウント周りが個性的なデザインですね。
広告ページでは、ダンパーオイル(これも実車世界のメーカーSHOWA製!)、そしてFETアンプ(エデルタ製、39800円!!)まで展開しています。
超本気です!
1986年10月号では、
さらなる新製品の告知。京商オプティマ用ジュラ削り出しホイール
9月号でプロトタイプとして掲載の1/12EPは、正式名称「BOMBER」、コンバージョンキットとして、具体的仕様やインプレッションが記事になってます。
話が逸れますが、この10月号では、他社のコンバージョンも特集されており、目が釘付けになりました(^^;;
86年の1/12EP全日本選手権からフィードバックされた、無限精機SRテンペストのコンバージョンキットのインプレッションが掲載さています。
同10月号の無限精機広告では、SRテンペストConv.キットのことなど一言も記載されてないことは驚きです。
技研モデル(テック)からは、ファントム用コンバージョン。
板バネ式Fサスがたまりません。
この機構はEXTにも対応?
ラジコン技術1986年11月号
広告にようやく、"10月下旬にプラズマ用コンバージョンキットとして発売”と掲載。
(なぜか「BOMBER」の名が記載されてませんが…)
10月号のオプティマ用アルミホイールに続いて、ロアアームの発売も告知しています!
また、さりげなく対応モーターマウントが追記されています。
SRテンペスト”コンバージョンキット対応”!
同11月号、新製品ホット情報でも紹介されています。
毎号眼を見張るRPM社のレーシングパーツ群ですが、突然の幕引きとなります。
1987年3月号を最後に広告が消えるのです。
RC事業からの完全撤退。
(お詫び:写真が87年3月号でなくすいません💦時間あれば差替えしたいです)
月ごとに充実していく商品ラインナップだったのですが…コンバージョンキット「RPM BOMBER」としてようやく販売開始されたのですが。
残念でなりません。
時が過ぎ、オッサンになりました。
縁あって、RPM社製レーシングパーツを入手できました。
「RPM MICRONモーターマウント」
(無限精機1/12EPレーシング用)
左から、
・K2-Xコスミック(初代~GP/mリミテッド)
・K2-Xコスミック(~GP/m86エアロ)
・SRテンペスト用
コスミックの仕様の違いは、スタビライザーの切れ込みの有無です。
また、スーパーテンペスト用モーターマウントには、Aバー取付用のM3ビス穴が4カ所開くことになります。(→訂正:元々SRテンペスト用からビス穴が4カ所開けられてました💦事実上変更なし)
手持ちの純正SRテンペストMマウントを並べて、低重心化について簡単に比較してみます。
低重心化を謳っていた通り、ベアリングセンターを数㎜ダウンさせています。
モーター固定位置も低重心設計が分かります。
京商1/12EPレーシング
プラズマMk-II用コンバージョンシャシー「RPM BOMBER」
Rオイルダンパーマウントは単なるプレス加工ではないんですね。
広告には載ってなかったカーボン仕様となります。
裏は、振り分けバッテリー固定用スリットが、フライス加工にて施されています。
プロトタイプモーターマウントも。。。
アソシRC12i用と思われます。
2タイプの肉抜き仕様。
検討過程のものでしょうか。
シャシー裏面から、ビス穴の特徴的な位置から、RC12i用と判断できます。
RPM社のRC事業への参入は、ラジコン技術紙面上で拝見する限り、1985年9月から1987年3月までの期間でした。
実車でのレース参戦、オリジナルチューンナップパーツの研究・開発・製造を行ってきたRPM社です。
一つ一つのパーツを写真や記事で追ってみたり、実際に製品を手に取ってみたりしますと、それら技術が反映された精度の高いパーツだと理解できます。
ただ想像以上に、80年代後半の1/12EPはその造りの流行り廃りが激しい時代でした。
バッテリ振り分けシャシーやボールサス、モーターマウントでもセンタリングマウントの風潮や車高調整アタッチメントの装備・・・等々、今までに無かった機構が非常に短い期間に台頭してきました。
それまでのユーザーも戸惑い、どんどんコアな状況に陥っていったように思います。
その結果、ユーザー離れがおき、市場規模に陰りがみえ、メーカーによっては静かに撤退していきました。
RPMは、それら状況を早くに分析し、見切りを付けたのかもしれません。
RPMは、それら状況を早くに分析し、見切りを付けたのかもしれません。
もう30年以上も前の話です。