「みちのく いとしい仏たち」の展示室を出ると、東京駅丸の内北口ドームの2階の回廊に出ました。
回廊には1914年(大正3)、東京駅創建からの変遷が展示されていました。
設計は当時建築界の第一人者辰野金吾。イギリスに留学していたころに流行していたレンガを使い、日本は地震が多いので鉄骨レンガ造にしています。
政府ははじめドイツに技術を仰ぎ、フランツ・バルツァーは和風建築の意匠でデザインしましたが、西欧列強に肩を並べようとする当時の日本では受け入れられなかったとか。なんか皮肉な話ですね。いまは木材を使った日本風のイメージの建築設計が好まれているのに。
1964年、創建から50年後の丸の内の様子。1964年といったら東京オリンピックの年ですね。
東京駅丸の内の北と南のドームには方位にあわせて十二支中の八支が取り付けられています。これは第二次世界大戦の空襲で焼失したため、復元された石膏の原型です。
2階の回廊からはドームの天井までは写せず。これは2012年に北口改札近くから写したもの。
3階のテラスを支える三角形の鉄材は中央のくり抜き模様から「月の満ち欠けブラケット」と呼ばれているんですって。
なぜそんなマニアックなことまで知っているかというと、ミュージアムの入口の棚にあった、11×6cm のリーフレット。
東京ステーションギャラリーのロゴは、三つのレンガをつなぐ「目地」ですって。東京のイニシャル、T にも見えるし、センスいいですね。
展示室以外なら撮影してもいいでしょうと思い、階段の途中で撮ったレンガの壁。黒い部分は「木レンガ」で、1945年5月25日の東京大空襲で駅舎が爆撃された火災による熱で木が炭化したものだそうです。リーフレットで知りました。
ギャラリーを出て地下街をふらついていたらすっかり暗くなりました。東京駅丸の内の南口方面。右の背の高いビルはJPタワー(KITTE丸の内)。