『出水白龍水神図』落慶の日 ⑤ ✿ 安養寺 恩智養宗 仮面をかぶった土偶 杉田用水 深良用水 | 一人、"地下鉄の地上を歩く会"

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山や街を歩いて見聞したことや身の回りのことなどをお話しします。

本堂では、安養寺のご住職が直々に詳しく説明し案内してくださいました。

ご住職と知り合いの長谷川真弘絵師が前以ってお願いしておいてくださったようです。

 

 

 

ご本尊様も近くで拝見し、写真も撮らせていただきました。

お訊きし忘れましたが、釈迦如来立像でしょうか。

 

 

 

『約3000年前(縄文時代後期)のもので、ほとんど作られた時のかたちに近い貴重なもの。全身に朱(赤)をぬった跡がみられます。仮面をつけためずらしい土偶です。』静岡県富士宮市杉田 滝ノ上出土

 

 

 

ケースに入っていますが、実物も見せてくださいました。

この土偶は第22世恩智養宗(おんちようそう)が杉田用水を開いた時に出土したそうです。

 

 

 

安政6年(1859)に安養寺に赴任した恩智養宗は財政立て直しのために、寺の所有地を水田化しようと図りました。水源から寺まで水を引くのに約300mの隧道が必要で、初めはほとんど独力で掘り進め、完成までに二年はかかったそうです。

養宗は安養寺赴任の前に駿東郡深良村の興禅寺で修行していたので、深良用水(ふからようすい 寛文10年(1670)に完成)の知識があったのでしょう。

でも、寺の周囲の集落には役立ったけれど、安養寺の水田にはならなかったようです。また、人夫を雇うことも多くなり出費がかさみ、檀家役員とのトラブルとなり明治13年(1880)には寺を追われることになりました。

 

 

 

深良用水 水門   

あらっ、ここで深良用水が出てくるとは!

箱根芦ノ湖の深良用水には畠堀操八氏主宰の山樂カレッジの山行で行きました。(2022年10月23日)

 

 

 

芦ノ湖からの深良用水(箱根用水)は 

この先から隧道に入り、湖尻峠付近の地下を通り、

静岡県の黄瀬川支流の深良川に注いでいます。(全長1280m)

おそらく畠堀氏は安養寺の恩智養宗のことをご存知で深良用水を案内してくださったのでしょう。

芦ノ湖の深良用水のことはこちらで少し触れました。

 

 

 

参道の脇が窪地になっていて、池があり水が流れているところがあるけれど、杉田用水に関係しているのかしら。