今日は朝から雨~なのでお家でお仕事。
私のお教室に来る生徒さんの半分は音楽関係の方で、音楽留学のためにドイツ語を学びにいらっしゃいます
自分がオーストリアの音大で勉強していたので、ドイツ語だけでなく、試験の内容とか入試の注意事項とか、お話しできるから、かな?
日本から海外の音大の情報を集めるのは意外と大変
先輩や知り合いが行きたい大学で勉強して入れば良いのですが、いない場合は大学のホームページから探すしかありません。
困るのが「ドイツ語証明書」大学4年コースか大学院か、演奏家コースか教育科コースかによって提出しないといけないドイツ語証明のレベルが違います。
なので今日はオーストリアの4つの音楽大学に提出しないといけない、ドイツ語証明レベルと期間をリストアップしてみます。
ウィーン国立音楽大学(Universität für Musik und darstellende Kunst Wien)
ウィーン国立は以前からあったBachelor(4年コース)とMaster(2年コース)制度を、一部を除いて、廃止したようです。ドイツと同じDiplom制度になっていました。
器楽科(Diplomstudium)B1 入学前に提出
ピアノ科(Bachelor)B1 3ゼメスター開始までに提出
ピアノ科(Master)B1 2ゼメスター開始までに提出
歌科(Bachelor)B1 入試時に試験、1年後までにB2のコースを修了する事
歌科(Bachelor)B1 入試時に試験、半年後までにB2のレベルがある事
ドイツ語証明で認められるのはÖSDまたはGoethe-Zertifikatのみ
しかも提出時より2年以内に発行されたもの、となっているので気を付けてね
https://www.mdw.ac.at/upload/mdwUNI/files/erforderliche_sprachnachweise_ws19.pdf
グラーツ国立音楽大学(Universität für Musik und darstellende Kunst Graz)
グラーツ音大は現代曲とジャズに力を入れている大学で、地理的に他の3つの町と少し離れています。オーストリアの中でも物価が安くて一番お天気が安定しいる町です(私は1年間だけ住んでいましたが、大きすぎず、小さすぎず過ごしやすかったです)
器楽科 Bachelor 入学前に提出A1 3ゼメスター開始までにB1
器楽科 Master 入学前に提出A2 3ゼメスター開始までにB2
歌科 Bachelor 入学前に提出A1 3ゼメスター開始までにB1
歌科Master“Konzertgesang“入学前までに提出A2 2ゼメスター開始までにB2
歌科Master “Gesang“と”Musiktheater“ 入学前までに提出A2 3ゼメスター開始までにB2
アントン・ブルックナー音楽大学(Anton Bruckner Privatuniversität)
この大学は国立ではなく私立大学です(日本のように学費の違いはありません、むしろこっちの方が安いです)。どこが運営しているかの違いなので、レベルの差もありません。この大学もジャズに力を入れています。私はこの大学を卒業しましたが、日本人が少なく一番「地元大学」の良さが出ていると思います。(外国人向け営業をしてない大学という意味で)
器楽科 & 歌科 Bachelor 入学までにA2を提出、もしくは3ゼメスター開始までに提出(昔はそうでしたが変わったかも)
器楽科 & 歌科 Master 入学までにA2を提出、もしくは2ゼメスター開始までに提出(昔はそうでしたが変わったかも)
入学試験の時に母国語がドイツ語でない学生は、試験官と口頭試験があります。そこで試験官に必要だと思われたら、A2の証明を3ゼメスターまでに提出する仕組みでした。
https://www.bruckneruni.at/de/studium/bewerbung-und-studienbeginn/aufnahme-und-zulassungspruefungen/
ザルツブルク・モーツァルテウム大学(Universität Mozarteum Salzburg )
音大のある街で一番人口の少ない第4の都市です、本当に小さいので自転車で30分走れば郊外にいけます。夏のサマーアカデミーや音楽祭で有名な町です。日本人(アジア人)は多めで私が15歳から住んでいたのもこの町、当時は18歳未満だったのでジュニアコースみたいな形で通ってました。(まだ今の校舎が出来る前)
器楽科 & 歌科, 音楽理論、指揮、作曲(BachelorとMaster) 入試時にA2を提出。
証明が出来ない場合は入試時にドイツ語試験を受けます。(受からないと実技が合格でも落ちます。入学までにA2が証明出来ればOK)
例外はMaster klassikの弦楽器、撥弦楽器、管楽器、打楽器、室内楽ピアノトリオ、または弦楽四重奏と管楽オーケストラ指揮は入試時にドイツ語の実力テストがあります。A2の証明が出来る場合は入試時に提出をしますが、証明できない場合2ゼメスター終了までに提出します。
認められるドイツ語証明も決まっています
しかも提出時より2年以内に発行されたもの、となっているので気を付けてね
https://www.uni-mozarteum.at/apps/app_ck/ckuserfiles/zulassung/files/zl_19_deutschkenntnisse.pdf
今回は4つの大学をリストアップしましたが、今度はドイツの音大も少しづつ書いていきます
受験を考えている方は渡欧する前にせめてA2は取っていきましょう
向こうで勉強できる期間は限られているので、先生の言っていることが100%解らないうちに帰国。なんて凄くもったいないですよ。
言語は文化と音楽と切り離すことが出来ない分野ですので、楽器で練習する以外の勉強にも役に立ちます。