なきむし堕天使 7/7 | mcode

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 まり子の反撃

少女趣味!?
叙情詩の何がいけないの!?
あなたは
世界中の若い女性を
敵にまわしたわよ!

あなたは
どうしょうもない堕堕っ子ね!
堕天されて当然よ!
自分中心に
世界が回っているとでも?
十七世紀の
コペルニクスの地道説を
無視しているようなものよ!
二世紀の遺物の性格ね!
天動説時代に帰りなさいよ!

だって
あたしは
創世記に生まれた
堕天使だもん!
天国を中心に世界があると
天使長に教わって育ったのよ
あんたなんて
宇宙の塵から生まれたのよ
あたしたちが要らなくなって
捨てたゴミから
生まれたんじゃない!

はあ~
あなたって
なんて子なの・・・・

少女は
少女らしい時代がなければ
大人の女性になっても
大人らしい女性に育たないのよ
光と影
対称的で相対的なものがあって
両方とも
美しい存在になるのよ

女性でも男性でも
女性ホルモンと男性ホルモンの
両方を持ち備えているでしょう
環境に合わせて
バランスが大切なのよ

わたしは孤児だったのよ
両親の顔も知らないの
日本人の血と
白ロシアの血が混ざってる
ソビエト連邦が崩壊する前に
日本に渡って来たことしか
知らないの

孤児院と
里親の間をたらい回し
傲慢で嫉妬ぶかくて
束縛されるのが嫌いだった
そんな少女時代だった
学校でも
髪の毛と目の色が違うので
いじめられたわ

そんな中で
強く生きるのには
反抗するしかなかった
誰にでも反抗した
でもそんなんじゃ孤立して
淋しくてたまらなかった
自殺未遂も何度もした

でもね
病院に収容されたとき
ナースに優しくされた
わたしは
ナースに愛されたかった
だからわたしは
大人になろうとしたの
綺麗なナース
天使のように見えた
ナースに憧れた

少女でなく
大人の女性になれば
愛されると思った
わたしは
わたしの少女の心を
心の奥にしまい込んだ
そうして大人の女性として
ふるまわったのよ
少女の心を
おしころして生きようと
きめたのよ

でも
そのころ
幸せそうな親子を見ると
嫉妬した
親にねだって子供が泣いて
我が侭を言っている姿をみると
羨ましかった
わたしを産んだ親を憎んだ

涙で出てきて
しかたがなかった

わたしが清純な詩を書くのは
そのトラウマが原因なのよ
空白の少女の心を
取り戻したいのよ

だから
わたしは今でも
大人の女性に
なりきれないでいるのよ

あなたに
そんな気持ちが理解できる?
刹那的で退廃的な
堕天使のあなたに
何がわかるっていうの!?