皆様こんにちは。腸美活通信 編集部 MOです。
今年に入って、続々と肥満治療薬(もしくは内臓脂肪減少薬)が発売されています。
しかし誰でも簡単に手に入れられるわけではなく、医療機関での受診や薬剤師(この薬の販売資格がある)との対面相談が必要で、さらに使用するためにはいくつかの条件を満たしていないといけないそうです。
私のような微妙な中年太りの人間には残念ながらご縁の無い薬ではありますが、様々な疾病を引き起こす原因となる肥満を、医療的な側面からアプローチしやすくなったことは大きな一歩です。
しかしまずは、医薬品に頼らず自分の意思による生活改善から試みたいものです。
今回は肥満と関係の深い「メタボリックシンドローム」について考えます。
メタボリックシンドロームとは
メタボ=太ってるってことでしょ?
そうではありません!
ただ腹囲が大きいだけではメタボとはいえません。
メタボリックシンドロームとは「内臓脂肪型肥満」に加えて、「高血糖・高血圧・脂質異常」のうちいずれか2つ以上を合わせもった状態を指します。
診断基準
内臓脂肪とは
食事の際、過剰に摂りすぎた栄養は、飢餓などに対し備えようとする生理的な反応より、体内に脂肪として蓄積されます。
脂肪が蓄積される部位は大きく2つに分けられます。
・皮膚の下の「皮下脂肪」
・内臓の周囲にある「内臓脂肪」
内臓脂肪は、おなかの内臓周辺につくため、おなか周りが太くなるのが特徴です。
また内臓脂肪が増えると、血圧・血糖・コレステロールなど複数の健康リスクを抱えやすくなります。
内臓脂肪と生活習慣病
長年の研究により、内臓脂肪型肥満が生活習慣病の進行に大きな影響を及ぼすことが分かってきました。
内臓脂肪が過剰
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糖尿病・高血圧症・高脂血症 など生活習慣病を併発しやすくなる。
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まだ病気予備群でも、疾患の併発により動脈硬化が急速に進行し、急性心筋梗塞や脳梗塞・大動脈瘤などの深刻な疾患になることも!
「ちょっと正常値より高いだけだから…」と安心せず、この機会に一度ご自分の生活習慣を見直してみましょう。
危険因子とは
メタボリックシンドロームによって引き起こされる病気発症の危険性は、危険因子の数が多くなるほど高まります。
<例>心疾患の場合
→ 心疾患を引き起こすとされる危険因子は、肥満・高血糖・高血圧・高脂血症 等
危険因子がない人の発症危険度を「1」とすると、
・危険因子1つ… 5.1倍の発症危険度
・危険因子2つ… 5.8倍の発症危険度
・危険因子3~4つ… 35.8倍の発症危険度 → 危険度が急激に上昇!
予防
◆運動習慣の徹底
皮下脂肪とくらべると、内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります。
日頃から体を動かすよう心がけましょう。
◆食生活の改善
バランス良く、適切な量の食事を心がけましょう。
「寝る直前に食べない」「野菜から食べる」等、時間や食べ方などにも注意しながら、1日3食規則正しく食べましょう。
◆禁煙の実行
喫煙はがんにかかりやすくするだけでなく、動脈硬化を進行させ、脳卒中や虚血性心疾患のリスクも高めます。
禁煙には、本人の努力だけでなく、まわりの人のサポートも大切です。
◆薬によるコントロール
すでに糖尿病や高血圧症、高脂血症になっている場合には、生活習慣の改善に加えて、薬によるコントロールが必要なこともあります。治療で必要な薬は医師と相談の上で適切に使用しましょう。
しかし、「薬を飲めば安心」ではなく、生活習慣の改善をあわせて行うことが大切です。
現在、薬を使用している人で、
・症状が出なくなった。
・検査値が良くなってきた。
・薬が合わない。
という場合も、自己判断で薬の使用を中止せず、必ず医師と相談しましょう。
最後に
極端な生活改善には無理がありますし、継続できなければ意味がありません。
「下りだけは階段を使う」「夜はご飯半膳」など、ストレスにならない程度の小さな改善から試みるのはいかがでしょうか。
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