皆様こんにちは、もちづき内科クリニック(腸美活通信)編集部です。

 

国立感染症研究所の報告によると百日咳の累積報告数は1万110人に達したと発表されています。

 

成人がかかった場合は風邪などと見分けることが難しい場合があり、早めの受診が大切です。

もちづき内科クリニックでも、風邪の症状(検査の結果、百日咳戸の診断)で来院される患者様も増えているように感じられます。

 

今回は百日咳について香織先生に伺いました。

 

 

 

 

 

しばらく涼しかった梅雨から一転、暑い、暑い日が続いています。毎日高い湿度と午前中から30度を越す日が多く、水分を充分摂取し、日光を避け、暑い場所には長時間いないようにしていても熱中症に罹患してしまう方が今年はとくに増加しています。寝ている間には約1.5L近い水分が身体から蒸発してしまうため、朝起床したら必ずコップ一杯の水や麦茶などを飲み、一日中こまめな水分補給が必要です。

 

 

 

 

また、ここ数ヶ月2週間以上継続する咳嗽で来院される患者様が増加しています。

 

もちづき内科クリニックには、主に2-4月はアレルギー性気管支炎や気管支喘息の患者様がいらっしゃる事が多いのですが、今年は6月後半くらいから2週間以上継続する咳嗽を訴えて来院される方が増えており、血液検査を行なった結果、百日咳であった方が何名かいらっしゃいました。

 

全国的にも国立感染症研究所から百日咳の罹患者数が増加傾向で、今年の百日咳累積感染者数が8月にすでに1万110人に達したと通達がありました。

 

百日咳は世界的に見られる通年性の疾患で、乳児から老年の方までどの年齢でも罹患します。また今年の夏は暑さと湿気による脱水で免疫力が低下していることから、百日咳や肺炎も重症化しやすく、乳児や免疫力の低下した老年の方や抗がん剤治療中の方などは重症化する可能性があります。

 

 

 

 

百日咳は感染者の咳などによって飛び散った気道分泌物や唾液を吸い込んだり、触ったりする事で感染する"飛沫・接触感染"の為、家族内や学校などで集団で発生しやすい疾患です。

 

また百日咳は一度感染したら次はかからなくなるような終生免疫の感染症ではないため、何度でも百日咳にかかる可能性があります。

また、乳児期に百日咳に関しては多くの方々が百日咳ワクチンを接種されていますが、約10年でワクチンの効力が低下する場合が多く、成人でもワクチン接種をお勧めしています。


百日咳の症状は
          
         <飛沫・接触感染>
                    ↓
     <潜伏期> 5-10日程度
                   ↓
       < カタル期>約2-3週間
咽頭痛、発熱、咳嗽など、風邪症状が徐々に強くなる =もっとも感染力が強い
                   ↓
         <痙咳期>約2週間-1ヶ月
激しく咳き込み、なかにはひどい咳のために嘔吐を伴うこともある。
                  ↓
          <回復期>1-2週間
その後徐々に咳嗽は回復するものの場合によっては数か月にわたって長引くこともあり


《感染経路》
飛沫感染・接触感染
潜伏期
5-10日(最大3週間)
周囲に感染させうる期間
咳嗽が始まる1週間前から咳嗽が始まって3週間
《感染力》
非常に強く、麻疹と同等
学校保健安全法
第二種(出席停止期間:特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまで)
感染症法
5類感染症(全数報告(2018年1月〜):7日以内に届出)


※もちづき内科クリニックでは、診察の結果、百日咳の可能性がある患者様には採血やレントゲンでの診断を行なっております。

 

《予防》

注)
現在、成人の方には成人用DPT 3種混合ワクチン(Tdap)が小児用ワクチンより適量のワクチン成分が配合されているため国際的に推奨されていますが、成人用DPT 3種混合ワクチンTdapは、全て輸入ワクチンとなっております。

 

 

 

(誠に申し訳ございませんがもちづき内科クリニックでは輸入ワクチンの取り扱いをしておりませんので、接種をご希望の方には適切な医療機関をご紹介致しております。)

 

百日咳の症状は、風邪との見分けが難しいため、長引く咳の症状のある場合は、早期受診と咳がある間のマスク着用をお願いいたします。

 

 

 

 

 

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