銅の軍神人物帖 雨野真治「バカ弟風味の彰子の弟」 | 智本光隆ブログ

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最新作『銅の軍神ー天皇誤導事件と新田義貞像盗難の点と線ー』2023年11月2日発売!!

1,バカ弟の予定だった雨野真治

 

日曜夜に彰子、彰子というと、どうにも気になる今年の大河……

さて、今回は主人公の弟・雨野真治です。

特徴……バカ弟。

以上です。

 

 

……その予定だったのですが、なんか話の流れでお姉ちゃん思い、家族思いのとてもいい子になってしまいました。

どうしてこうなったんだろう???

 

 

真治は2章にて義貞像をSNSに公開して、それが物語を動かすという役割を果たしています。なので、彰子からはバカッターなるいう称号が与えられています。SNSに興味のない彰子は、なんだか意味分からずに使っておりますが。

 

 

さて、真治くん。手元にある初期案を見たところ、金髪、長身、浪人生とか書いてありました。どうやら、初期は本格的なバカ弟キャラに設定したよう。

浪人生キャラとしては、随所に名残りが残っております。

本作では高校3年生になっています。名前は出ていませんが、鎌倉学園高校です。明月院前から5分くらいで行けますね。

 

 

建長寺の真横にある鎌倉学園

 

 

実は智本作品は主人公の弟はけっこういるのです。

大谷吉勝→木下頼継 細川忠興→細川興元 豊臣秀勝→豊臣秀保。そして岩松武子→誠丸(新田忠純)と実に多い。

多いのですが……たまに出てきて「兄上!」とかいうだけの役です、これが全員。真治は本格的?に登場した初の弟キャラと言えます。誠丸は直接の出番がなかったかな……ブログで武子さんが虐げているので、出したような気がしていましたが。

そういえば、2作続けて主人公が姉だ。

 

 

実生活でも弟なるものがいない作者なので「弟キャラってどんなだ?」という手探りはありました。彰子の5歳下ですので、姉と違って思春期に転校しておらず性格的にその影響はあまり見えません。割と淡々飄々としているというか、5年生以降は鎌倉育ちなので「都会の良家の男の子」みたいなイメージで描いています。

彰子に若さ?があまりないので、「現代っ子」的な感じを。どんな事態でも落ち着いているような感じになったな、真治。

なお、名前がもちろん「バカシンジ」から……ではありません。ただの偶然です。

 

 

2,新田氏次代の棟梁?

 

ところで、真治ですがよく考えれば「新田宗家次代当主」ということになるような。

このあたりは特に細かく描いてはいません。それは「彰子が新田の当主」という天命があるとかではなく、本人も言った通り「偶然にも新田の秘密を覗いてしまった」だけなので。

彰子と真治に違いがあるとすると……祖父の貴幸は真治をほとんど知らない点くらいか(真治が5歳の時に死去)

ただまあ……彰子は「真治はなにも知らない」と言っていましたが、

 

「知らないとはどこにも書いていない」

 

わけでもございまして。

「義貞像があることを知っていたのは真治だった」という点もあったりとか。そして、隼人は北鎌倉の駅前で真治と1対1で会っているので、その時になにかしゃべったか、どうだか……

ただ、基本的には「いろいろ背負うのは面倒だから」という性格が真治なので、何を知っても気にせずに生きるような気がします。

このあたり現代っ子なので。

 

 

あ、それから真治関係でけっこう聞かれるので……

 

 

志帆「そういえば真治くん、大学に受かったんだって。どこ?」

彰子「芝浦工大建築学部だって」

志帆「すごいじゃん。大宮だっけ?」

真治「建築学部は豊洲キャンパスなので。4年間東京で遊べるんですよ」

隼人「それで選んだのかよ。リサーチ完璧だな」

彰子「隼人くんも渋谷じゃん」

 

 

世には合格したら東京外にキャンパスがあってショックを受けた!という事例もあるようですよ。

その辺、抜け目はないタイプのようで。