バブソンMBAのベンチャー日記 -86ページ目

ゲーム理論は経営に使えるか

ゲーム理論を題材にしたケースを扱いました。


ゲーム理論とは、相手の出方によって、自分の戦略を変え、目的達成に向けた最適な行動をとることを目的とした理論です。とは言っても、分かりにくいので、例として有名な囚人のジレンマを紹介しておきます。
共同で犯罪を行った(と思われる)2人が捕まった。警官はこの2人の囚人に自白させる為に、彼らの牢屋を順に訪れ、以下の条件を伝えた。
・もし、おまえらが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。
・だが、共犯者が黙秘していても、おまえだけが自白したらおまえだけは刑を1年に減刑してやろう。ただし、共犯者の方は懲役15年だ。
・逆に共犯者だけが自白し、おまえが黙秘したら共犯者は刑が1年になる。ただし、おまえの方は懲役15年だ。
・ただし、おまえらが2人とも自白したら、2人とも懲役10年だ。
なお、2人は双方に同じ条件が提示されている事を知っているものとする。また、彼らは2人は別室に隔離されていて、2人の間で強制力のある合意を形成できないとする。
このとき、囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、それとも共犯者を裏切って自白すべきか、というのが問題である。
結論としては、A、Bは互いに協調しあったほうが得であるにもかかわらず、互いに裏切りあって10年の刑を受ける事になる。合理的な各個人が自分にとって「最適な選択」(裏切り)をすることと、全体として「最適な選択」をすることが同時に達成できないことがジレンマと言われる所以である。
面白いのは、実際の経営の意思決定において、ゲーム理論を活用するとどうなるかという点です。

ケースの状況としては、日本の電機メーカーであるNEP社が、米国のヘッドフォン市場への参入を検討している中、米国最大手(ヘッドフォン市場をほぼ独占)のプラントロニック社がどのように対応するべきかをい考えるというものです。プラントロニック社の営業利益率は25%あり、商品の価格コントロール力をもっています。また、ベルシステムという大規模顧客をもち、非常に強固な顧客基盤を有しています。

プラントロニック社の選択肢は、大きく2つ。
①先行的に商品の価格を下げて、競合(NEP)社の市場参入意欲を削ぐ。
②NEP社が市場参入するのを受け入れ、上手に競合する。


さて、あなたなら、どうしますか?


ケースには、もろもろ財務情報が散りばめられていて、それを上手く使うと、プラントロニック社のコスト構造を把握することができ、ゲーム理論を利用し、上記の問に対して合理的な回答をすることができます。

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1)価格を下げる場合は、現製品の約12%(=10ドル)の値下げとする
2)NEP社が参入した場合は、優良顧客ベルシステムへの売上を除く、15%分がNEPに盗られる
と前提を置くと、

                             P社の営業利益
①N社が市場参入×P社値下げケース        約2,000M$

②N社が市場参入×P社価格維持ケース       約4,000M$

③N社が市場参入しない×P社値下げケース     約2,300M$

④N社が市場参入しない×P社価格維持ケース   約4,200M$


となります。


つまり、NEP社の市場参入有無に関わらず、P社は価格を維持したほうが良いという結論になります。(←P社にとっての最適な戦略で、ドミナント戦略と呼びます)



ここまでは、一見根拠に基づく合理的な判断が難しいと思われる問題に対しての答えを提示するという意味で非常に面白いのですが、さて”ゲーム理論”は実際の経営の現場における戦略的意思決定に本当に活用できるのでしょうか?



ゲーム理論の問題点としては、
・(特に競合については)分からないことが多く、必要となる情報が手に入らない
・ある前提を置いた上での答えであり、前提が変われば、答えも大きく変わる
・ゲーム理論は事象を単純化・静的化しているが、実際の企業間競争はよりダイナミックかつ複雑である
などがあります。



教授に、実際の経営でゲーム理論を活用するのは難しいのではないか?と聞いたところ、


「ゲーム理論には多くの制約があり、指摘の(上述の)問題点についてはその通りである。しかし、ゲーム理論の限界を理解した上で利用することにより、ゲーム理論は多くのインサイト(洞察)を与えてくれることも事実である。」

と答えてくれました。


確かに、相手(競合)の出方によって、結果がどう変わるかを予めシミュレーションしておくことで、経営判断の妥当性は高めることができるはずです。

典型的な一日

6時30分:起床。さっさと身支度。コーヒーを作り、タンブラーに入れる。


7時15分:家を出発。車でバブソン大学に向かう。


7時55分:バブソン大学に到着。


8時~9時半:CSCA(戦略論)の授業。今日は、音楽業界の歴史的変遷について。アメリカの音楽事情はよく知らないので、パーティシペーション(授業への質的貢献)に苦しむ。


10時~11時半:MODA(マーケティング)の授業。アップルのITMSのケース。市場規模の見積もり方法についてレクチャーを受ける。とってもキュートなインド人先生。


11時半~12時半:お昼ご飯。


12時半~14時:DA(データ分析)の授業。デシジョンツリーについて学ぶ。正直、あまりこの授業は好きではない。


15時~17時:コミュニケーションのクラスで、3分プレゼン。機関投資家に対して、3分でオンラインミュージック業界のトレンドについてプレゼンし、フィードバックを受ける。


17時~18時半:翌日のFIBD(会計)の授業の予習。


18時半~20時半:翌日のCSCA(戦略論)の授業におけるプレゼンに向けたグループ討議。ゲーム理論を使って、企業の戦略的意思決定について分析する。


20時半:バブソン大学を出発。


21時:家に到着。夕飯を食べる。


21時半~22時:ブログを書く。


22時~23時半:翌日のMEIA(経済学)の予習。


23時半:シャワーを浴びる。


24時:就寝。



ホームパーティ

昨日は、アジア人友達をよんで、ディナーをうちで一緒に食べました。


日本食をということで、ちらし寿司、から揚げ、お味噌汁、サラダ、アスパラ豚肉巻きを用意しました。


料理はけっこう好評で、みな喜んでくれたみたい。


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