バブソンMBAのベンチャー日記 -46ページ目

MBAに行くことの価値

いろんなMBA生のブログで語られているテーマでありますが、この1年の振り返りの意味も含めて、多額の投資をして海外のMBAに行くことの価値がどれだけあるのかについて考えてみたいと思います。


まず、投資額についてですが、多くのトップスクールの学費は大体年間4万ドル(400万円)なので、2年制をとると8万ドル(800万円)になります。これに加えて、2年分の住居費(ざっくり320万円)、食費(130万円)、交際費(40万円)、交通費(50万円)+その他経費 がありますので、トータルで1,300~1,500万円ほどはかかるでしょう。その間基本的に収入はなくなりますので、2年分の機会損失(年収×2)を含めると、なおさらです。


普通の人が考えると、「なんでそこまでして学位を取りにいく必要があるの?」と思うかもしれません。


まぁ、ぼくは当事者なので、いやそれ(1,500万)以上の価値があるんだと思い込まざるを得ない状況にもあるのですが(苦笑)、こっちにきて約9ヶ月、実際その投資の価値はあるかなと思っています。


個人的に、得がたい学び(資産)として挙げられるのは以下の3つです。正直どれも、日本に閉じこもっていては、絶対得られなかったであろうものだと感じています。


1.グローバル・パースペクティブ
これについては、以前のエントリーでも触れましたが、やはり視野は広がります。日本から世界を見ていたのが、世界から日本を見れるようになります。世界経済がどのように動いているのかも、じょじょにわかってくるようになります。ひとえに、これはクラスメートが多国籍で、いろんな異質の考えがぶつかり合う環境に拠るところが大きくで、結果的に自分(自国)を客観的に見れるようになってくるのだと思います。これからビジネスマンとしてキャリアを構築していく上で、この感覚はとても重要で意義深い感覚だと捉えています。

2.英語力
やっぱり、英語は重要です。英語が話せないと、グローバルで仕事ができないのは真実。もともと帰国子女で英語がほぼぺらぺらな人の場合はそうではないと思いますが、少なくともぼくにとっては、2年間生の英語を聞き、話すという訓練はとても重要で、とてもネイティブ並みに流暢に話せる域まではいかないとおもいますが、それでもビジネス・イングリッシュとして使えるレベルまでは持っていけます。英語が聞けると、世界の人々の話を一次情報として入手できるので、機会は増えます。英語を話せると、自分の意見を世界の人々に伝えられるので、ビジネスを創れます。日本における英語教育では到達できないレベルまで持っていけるという意味で、MBAでの英語の訓練がとても重要になっているわけです。

3.友達(ネットワーク)
最後に、友達。世界を動かす主要国に、いざとなったら何か御願いできる友人が少なくとも一人いるということは、なんて素晴らしいことなんだろうと思います。これは、まさに財産。日本で過ごすだけであれば、天地がひっくり返っても、同じことは出来ないはず。勿論このネットワークをどう活かすかは本人次第なんですが、いざという時に役立てられるネットワークを増やしておくということはとても重要で、キャリア上の選択肢も広がっていくわけです。いざという時に何か頼める友人というのは、そう簡単にできるわけではないですが、でも各国に一人くらいは作れます。何かあったときに、メール一本打って、すぐ情報もらえて、助けてもらえるわけですから、大きな価値であることはいうまでもありません。


というわけで、僕としてはMBAに1,500万円+αを投資しても、行く価値はあると思っているわけですが、誰にでもお勧めするわけではありません。何故かというと、キャリアや家族などを犠牲にせざるを得ない局面もあるでしょうし、その人によってMBAで作った資産をどの程度活かせるかも変わってくるからです。また、ある程度強烈な想いがないと、MBAが始まってから「おれ、ここでなにしてんだろ・・・?」となりかねません。


なので、迷っている人は、止したほうがいいかもしれませんあせる 俺は何があっても行くんだくらいに思っていたほうが、将来後悔しない気がします。

ケースメソッドの意義と課題

バブソン大学では、ケースメソッドが取り入れられており、授業の7割~8割はケースを扱った授業となっています。事前に10ページから15ページほどのケース(多くの場合は、特定企業の事例を主題とした物語)を読み込み、授業中はケースにおける様々な課題やその解決策について教授と議論を深めていくことになります。


多くのビジネススクールで取り入れられているケースメソッドですが、勿論経営学を学ぶ上で有効な方法だと思うのですが、欠点がないわけではありません。そこで、今回はケースメソッドの意義と課題についてまとめてみたいと思います。

まずは、ケースメソッドの意義について。

意義1:ケースリーディングを繰り返すことで、相当数の企業事例・業界情報を知識としてインプットすることができる
HBSほどではないですが、バブソンでもかなりの量のケースを読まされます。一日平均2本として、週5日、正味6ヶ月(24週)とすると、1年目で240本のケースを読んだことになります。一本平均14ページとすると3,360ページです(苦笑) そして、自分が興味のある、好きな企業の事例だけでなく、全く関心をもったことのなかった業界・企業のケースを必ず読むことになります。そうすることで、産業、業界、企業活動に関する知識の幅広さは、程度はともあれ、間違いなく広がっていくことになります。特にコンサルを目指すのであれば、あたりをつけやすくなるという意味で、より重要かもしれません。

意義2:自分の思考(解)がどの程度のレベルのものなのか、他の生徒や教授の意見と比べることで把握することができる。
ケースリーディングの際には、教授からの質問は複数個与えられ、学生は自分なりの答えを持つことを求められます。そして、授業中に討論するわけです。そうすると、自分では間違いなく解はこうあるべきだと思っていても、そう思っている人は実は少数派だったりとか、まったく別の考えを持っている人がいたりして、驚かされることもあります。また教授から、Why?とつっこまれることを通して、自分自身の考えの深さを再認識することにもつながります。こうしたやりとりを通して、自分の思考の質がどの程度のものなのか、じょじょにわかってくるようになります。

意義3:ある種のバーチャルトレーニングとして、マネジメントの訓練(準備体操)になる。
ケースでは、常に何かしらの問題設定がされ、あなたが当事者ならどうするか?ということを問われます。MBAの学生は将来の経営者候補として育てられますので、将来的に直面しうる経営課題を仮想的に設定し、解決策を検討しておくことで、実際の課題に直面した時の意思決定の質の向上につなげる意味合いもあります。これがどの程度有効なのかは、まだ分かりませんが、少なくとも頭の訓練をしておくことで、瞬発力・対応力は上がるはずです。


次に課題について。

課題1:現実の企業における経営課題と比べれば、単純化されており、この点を誤解すると危険。
ケースといえど、所詮1ケース10枚から多くても20枚の読み物です。そこに書かれる情報量は限定的であり、実際の企業課題を解くために必要な情報がすべて詰まっているわけではありません。なので、要は(授業の教材として)単純化されているわけです。そうした中、こういう状況で、こういう立場なら、こうするのが一番適切なんだと確定的な”解”として理解してしまうと、非常に危険だと思っています。というのも、非常に似たような状況でも、組織のパワーバランスや微妙な競合の出方などによって、打ち手は変わってしかるべきだからです。なので、所詮仮想の世界であることをわきまえる必要があると思っています。

課題2:教授の質によって、学生のラーニングの度合いが(すさまじく)大きく変わる。
これもとても大切なポイントですが、全く同じケースを扱っても、教授が違うと授業の内容ががらりと変わり、学生にとっての学びも随分変わってきます。教授会ですり合わせを行っていたとしても、定型的な進め方があるわけではないし、教授自身の思考の深さが学生とのやりとりを活性化し、本質を導きだしていくので、教授の質で授業のアウトプットが大きく変わるのです。なので、極端な話、優秀な教授陣が多ければ、ケースメソッドは有益な教育アプローチですが、そうでなければ読み物を読んで終了ということになりかねません。

課題3:明確な答えが用意されているわけではなく、何が学びなのかが時として分かりにくい。(本人次第だが・・・)
現実の経営課題と同じく、ケースにおいても唯一絶対の解というのは大抵の場合存在しません。特にリーダーシップや組織論などソフトなテーマになると、あれもよいし、これでもよいといった議論になりがちになります。なので、結局どうするのが一番よかったのか、そして、それを一般化するとどのようなナレッジになるのかということが見えにくいのです。洞察力の高い学生であれば問題はないのかもしれませんが、しっかり気合いれておかないと、ただ時間とともに授業が終わり、結局学生に何ものこらないということになりえます。


ということで、これからケースメソッドに触れるMBAの皆さん、その特徴を理解した上で、首尾よく受講しましょうDASH!

アメリカのビジネススクールで教える日本人教授へのインタビュー

バブソン大学には、日本人教授が2名いらっしゃって、マーケティングとアントレプレナーシップを教えています。この度両教授へのインタビューをさせていただき、バブソンの日本人サイトに内容を公開しましたので、ここでお知らせいたします。結構面白い内容なので、是非みてください。


アメリカのビジネススクールで教える日本人教授へのインタビュー