バブソンMBAのベンチャー日記 -22ページ目

ターンアラウンド(企業再生)は技術③

さて、Ⅰ、Ⅱは結構ベーシックなとこなので飛ばして、Ⅲから入りたいと思います。

Ⅲ.4 steps of Turnaround
1) Stabilize
ここでの目的は資金繰り(キャッシュフロー)の安定化になります。
何故一番最初にあるかというと、ターンアラウンドシチュエーションにある会社は、現金の入りより出が大きいことが多く、キャッシュフローのメンテナンスを早期にしないと、倒産に追い込まれてしまうからです。

教授の言葉として、
- Figure out Cash Flow (Cash is King!)
- If you have cash, you got time
の2つが強く印象に残っています。

残された現金=残された時間。ターンアラウンド=時間との戦い。
なわけで、自社のキャッシュポジションを早期に理解し、改善することが一番最初に取り組まなければいけないことなんですね。

よって、ターンアラウンドを始める最初のタスクが、13週分の予測資金繰り表(予測キャッシュフローステートメント)の作成。これにて、現金収支を管理していくわけです。教授は、ある会社の場合には日単位でキャッシュを管理しており、全ての決裁権限を自分に集中させてたことがあるといってました。それくらい大切なわけです。

キャッシュフローを改善するための施策はいくつかありまして、例えば
・生産高の減少
・在庫調整、在庫のディスカウント販売
・支払い条件の変更(サイトの延長)
・売り掛け金の早期回収
・売掛金の売却(ディスカウントして、ブローカーに)
・銀行との利息支払い条件の変更交渉
・銀行からの追加融資
・増資(新しい投資家の確保)
・商品単価の切り上げ(まぁ、難しいですが)
・仕入れ値の切り下げ
・レイオフ/人員整理
などがあります。

アメリカの場合は、かなりばっさりとかつ大胆にレイオフをしますので、そこは日本とは違うわけですが、経営者としては切るべきカードであることは多いわけです。

※あと重要なこととして、上記のどれを行うにも「交渉」が必要な訳で、ストレートに(嘘などはせず)協力依頼をすることが大切とのこと。

次は、2) Analyzeについて。

ターンアラウンド(企業再生)は技術②

さて、では実際にターンアラウンドはどのように進めていくべきなのかについてまとめてみたいと思います。

ターンアラウンドマネジャーは、大きな流れとして、以下を抑える必要があります。

Ⅰ.Context Analysis (日本語でいうと、マクロ環境分析になります)
1) Macro Economy
2) Industry Cycle
3) Geographic / Political Situation

Ⅱ.Situation Analysis (こちらは、3C分析が近いですね。)
1) Internal Analysis
2) External Analysis
3) Players Analysis

Ⅲ.4 steps of Turnaround (実際の企業再生の手順)
1) Stabilize
2) Analyze
3) Reposition
4) Strengthen

自分自身がインサイダー(会社内部の人間)であれば、すでにⅠとⅡは抑えてあると思うのですが、アウトサイダーが企業再生の任に当たる際は、当然Ⅰから始めなければいけません。

但し、ターンアラウンドマネジャーして一番最初に始める仕事は、ⅢのStabilizeからです。状況によりけりですが、一歩間違えれば倒産という所まで追い込まれているケースなどは、資金繰りの安定化を即座に図らなければいけないので、CEOが環境分析なんかやっている暇はないわけです。

なので実際には、採用面接の過程で、ⅠとⅡを進め、業界や自社、競合環境についてかなりの理解を深めておかなければいけません。

ちなみに外部から登用される場合は、基本的にはヘッドハンターから声がかかり、ヘッドハンターと面接して、当該会社のBoard(取締役)と面接を重ね、最終的には役会決議を経て、入社が決まる模様です。採用にあたっては、かなり具体的な採用基準が用意されていて、複数の候補者を比較しながら、マッチする人間を探していくようです。

次の記事でⅢについて具体的に説明したいと思います。

ターンアラウンド(企業再生)は技術①

今期とった授業の中で、最も印象的で学びが多かったのは、Turnaround(企業再生)の授業です。


ターンアラウンドってのは、基本的には相当痛んだ会社を抜本的に改革し、再び成長軌道にのせることをいうのですが、100%実務の世界なので、学者教授が教えることはできないんですね。なので、この科目の担当のGary Dicamilloは、ばりばっりのターンアラウンドマネジャー。Black and Decker、Polaroid、TAC Worldwide Companiesなど比較的大きな会社の企業再生請負人としてキャリアを積み、いまは企業再生コンサルのパートナーをやっています。

私の理解では、Turnaroundは、StrategyやMarketing、Financeなどと違って、経営学としての理論が固まっている分野ではなく、その道のプロが個人として培ってきた経験の中で、暗黙知的に蓄積されている部分が多いので、汎用化が難しい。また、理論を構築したとしても、実務経験者でなければ、Realityを語れないので、価値が出ない。(そういう意味では、Entrepreneurshipも近いですね)

とはいっても、Turnaroundを理論的に体系化できないかといわれれば、決してそういうことはなく、ターンアラウンドマネジャーが共通して抑えておくべきいろはというのは存在するんですね。(実際、ターンアラウンドに関する論文や書籍はけっこうあります)

なので、ここでは授業のまとめとして、学んだことを整理してみたいと思います。


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