バブソンMBAのベンチャー日記 -149ページ目

格差の国・アメリカ

小泉改革で日本における格差が広がったとかで、竹中さんをバッシングする向きがあったりしますが、ぼくから言わせると、日本なんかまだまだ健全でむしろ有能な人/社会的価値の高い人には、もっとペイがあっていいと思っています。

逆にアメリカは、本当に行き過ぎています。

本日の日経新聞にローレンス・サマーズNEC委員長の前年の所得がのっていましたが

・ヘッジファンド顧問    約5億1800万円
・ハーバード大学教授    約5800万円
・講演料1回あたり      約700万円

という破格ぶり。

ヘッジファンドは、相当特殊な能力が求められるので、5億円がどうなのかということは評価しきれませんが、大学教授の収入が約6000万というのは驚きです。

日本での大学教授の平均年収は、1200万円程度。実績のある方だと2000万近くいくのでしょう。まぁ、ハーバードは世界でNo1の大学で、かつ、サマーズ氏はOnly.1のキャリアの持ち主なので、高額を払う必要はわかるのですが、すごい金額です。(参考までに、日本の総理大臣は4200万円、アメリカの大統領は45万ドル(4500万円)です。)

またビジネス界でいうと、アメリカの企業人の経済格差はひどいもんです。上流にいる人間が、下流にいる人間を搾取するビジネス構造ができあがってしまっています。その際たるものが、今般問題になっている投資銀行やヘッジファンドで働く人たちです。

(参考)
2004年度のCEOの平均年収は1,180万ドル(約13億677万円)、一般労働者の場合2万7,460ドル(約304万1,934円)で、両者の収入格差は431倍となり、2003年度の301倍から上昇している。


ちなみに日本は、社長の平均年収が3200万円(2005年)。サラリーマンの平均年収は440万円なので、両者の収入格差は、7.3倍です。

(参考)
「産労総合研究所」の調査
調査は大企業から中小企業まで3500社を対象に実施、189社(上場88社、未上場101社)が回答した。役員報酬の平均は会長が3400万円、社長は3200万円。専務2500万円、常務2000万円、取締役1300万円となった。


こういった数値で比較すると、日本における経済格差なんて大したことないという結論になります。

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格差を理由に、不満・不平等を主張しても、意味ないよね
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鳩山総務相が持ち上げられている理由が分からない

鳩山大臣が、郵政関連の言動で注目され、調子にのっているようですが、ポイントがずれている(というかいちゃもんをつけている)ようにしか思えません。

まず、かんぽの宿売却問題について。
・鳩山大臣は、国民の財産といえるかんぽの宿について「取得費に2千億円や3千億円もかかった施設が109億円で売られるのはおかしい
・「オリックス不動産への売却の経緯が不透明」と主張し、売却の白紙撤回を要求し、その通りになった。

1点目については、ビジネスの基礎知識を理解している人間にとっては、発言そのものがビジネスを全くわかっていない素人の発言ということになる。

投資(売却)判断を行う際には、サンクコスト(埋没費用)という概念が重要で既に発生している費用、損失については回収不能であるので、過去の損失は無視して、未来にわたって収益を生むのかという観点で、判断する必要があるというものである

例えば、分かり易い例として、A社の株を1,000円で購入したとする。しかし、業績悪化を受け、500円になってしまった。サンクコスト500円である。加えて、現在は世界同時不況下にあるので、株価はさらに下落する可能性がかなり高く、場合によってはA社が倒産し、無価値になる恐れすらある。このような場合の判断としては、売却である。1,000円で投資したのにと、心情的にもじもじしていたら、500円以上の損失がその先発生してしまうからだ。

というわけで、鳩山大臣の発言は、見る人が見れば「お前あほか。毎年50億の赤字垂れ流しているんだから、バルクセールで(まとめて売って)109億円で清算できるんだけましじゃないか」ということになる。

さらにいうと、売却をやめさせておいて、郵政からでてきた09年度の事業計画で、「かんぽの宿」事業が38億円の赤字(08年度は50億円の赤字)を見込んでいることに対し、営業努力が足りないと強い不満を示したそうである。

経営の体制や、組織の仕組み、事業構造を抜本的に変えないで、赤字体質の事業の赤字規模が急激になくなることなどあり得ないのに、それを努力不足だと切って捨てるのは、あまりに郵政側が可哀相である。


次に2点目の、売却経緯が不透明ということについてだが、総務省がだした郵政の16の問題点の中にこのように記述してある。

2 入札手続等の公平性・透明性について
国民共有の財産を処分するに際しては、公平性・透明性のある手続により行われる必要があるところである。本事案における手続に関して、最終契約に至るまでの過程を調査した結果、御社が自ら譲渡先選定の重要事項としていた施設の譲渡禁止や雇用条件の維持が、入札当初の段階において応札予定者に開示されていないこと、対象物件の削減という重大な変更事項を口頭ベース行っていること等入札者との面談や交渉の経緯が記録化されていないこと、審査の評価基準が抽象的で、かつ評価項目間のウェイト付けがなく、また審査に関する協議の議事録も作成していないこと、さらには審査に当たっている者の個人名を指定しての経営体制の提案を受容していること、などが明らかとなり、御社の「入札が公平かつ透明に行われた」との主張を受け入れることはできない。
また、アドバイザーの選定の過程においても、審査には客観的な評価方法を用いているが、詳細に検証するとその評価結果に不自然な点数の変化が見られる。以上のように御社の入札手続等は公平性・透明性の観点から改善を要する状況にあると判断する。


どう思われるだろうか? はっきりいって重箱の隅をつつくような意見であり、個別の事実の中で、重大な過失や不公正があるとは思えない。特にこのような大型不動産の売却には、公平性・妥当性を追求するための審査プロセスは必要だが、高度な経営判断を要するため、全ての事項に関する判断を理論的、手続き的に誰の目から見てもパーフェクトにする必要などないビジネスの実態としては、当事者同士が口にはださない思惑というのが双方にあり、それらを含めても利害が一致した場合に、契約が締結される。なにもかも、紙にして、決められたとおりにだけやればいいというものではない。


以上、鳩山大臣の言動に対する私の評価。基本ばからしくてみてられませんが、何もいわない(好きにやらせている)麻生首相もその程度ということなんだろう。

これに関連して、ポリシーウォッチの加藤寛の発言は、一刀両断していて非常にわかりやすい。彼がここまで言うというのも、よっぽどだと思うが・・・ドクロ

まぁ、一連のやりとりをみていて、私は郵政の西川社長が気の毒でしょうがありません。
政府から請われて、やれやれと大変な職責を背負わされたのに、半年・1年程度しか在任しない総務大臣に、いちゃもんつけられ、経営計画を変更しないといけないんだから・・・

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政治家も少しは、企業経営のことを勉強してください。
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第2のグーグルを創るというグーグルの投資戦略「グーグル・ベンチャーズ」

グーグルが、ベンチャー・キャピタル事業に乗り出すという報道がされました。

米Googleは米国時間2009年3月30日、ベンチャー・キャピタル事業の立ち上げを明らかにした。名称は「Google Ventures」。同社のリソースを活用して、技術革新を支援し、新しい有望な技術企業を成功に導くことを目指すとしている。
 Google Venturesは、潜在性の高い新興企業を見つけ、初期段階で投資を行うことに注力する。消費者向けインターネット、ソフトウエア、クリーン技術、バイオ技術、ヘルスケアなど、さまざまな業界を対象にする。
 スウェーデンの投資金融企業Investorでポートフォリオ・マネージャを務めた経験のあるBill Maris氏と、GoogleでAndroidプラットフォーム事業に関わっていたRich Miner氏が、マネージング・パートナとしてGoogle Venturesを率いる。両氏は、「現在の不況時こそ、次の大物になる可能性のある新興企業に投資するのに理想的だ」と述べている。
 米メディア(New York Times)の報道によると、Google Venturesの初年度の投資規模は最大1億ドルにのぼる見込み。



さっそく調べてみると、ありました!

すでに、グーグル・ベンチャーズのホームページが。

FAQのページに、グーグル・ベンチャーズの基本方針がのっているのですが、グーグル本体とは独立した形で事業運営し、投資したベンチャー企業には、グーグルとの直接的なシナジーや、製品利用などは求めないということです。

回答の中に、
 Our focus is building great companies and generating long term financial return.
 「我々の目的は、偉大な会社を創り、長期的な視点で経済的なリターンを生み出すことだ。」と語っています。

グーグルの2008年度の損益計算書をみると、

連結売上高 21,795百万ドル (約2兆1,000億円)
営業利益   6,631百万ドル (約6,000億円)

またBSでは
現金および現金同等物 8,656百万ドル (約8,000億円)

とビジネスも順調で、キャッシュリッチな状態にあります。

グーグル・ベンチャーズの初年度純投資額が最大1億ドル(約100億円)といっても、本体の資金繰りからいったら、全然余裕なわけですね。。。しかし、ベンチャー投資ということについていうと、1億ドルあれば、1社1億円でも100社分ですから、十分なわけです。

グーグルが誕生してからほぼ10年、立ち上げ期の資本金は、実業家からの援助によるわずか10万ドル(1,000万円)。2年目に25万ドル(2500万円)増資していますが、それでも、このレベルの資金で、イノベーティブなビジネスモデルは創れちゃうわけです。

恐れ入りました叫び