2017年1月30日 第11回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000144264.html
○母里氏
前の予防接種法で、日本脳炎は臨時予防接種の扱い、北海道は一切やってない、東北地方でも基礎免疫だけ、関東でも横浜、東京あたりは赤ちゃんのときだけ、追加免疫はない状況、九州は毎年毎年、学童の義務教育の間中、接種をしている、日本全国で大変ばらつき。
積極的勧奨を差し控えていた5年間、どれぐらい患者さんが出て、それがどういう状況だったのか、データを十分に国民に知らせていただきたい。
北海道で一昨年から接種、差し控えてた方が脅されて、またということにもなりかねません。
○古賀氏
患者が発生していない状況の中で、副作用の発生を危惧しながら接種は大変無意味、有害。
2016年3月から10月の9カ月間、約10万人に1人の重篤な副作用が出ており、中にはADEM、ギランバレー、スティーブン・ジョンソン症候群なども発生。この5年間で子供が1人発生、その詳細は不明。
DTワクチンは重篤な副作用は10万人に1人程度、その倍の数の副作用の発生率。
立ちどまって考える必要がある。2期の接種の必要性が強調、非常に問題。
○岡部分科会長
傍聴人のお二人の意見も踏まえて議論を進めていきたい。日本脳炎ワクチンが必要かどうかのディスカッションが厚労省で行われて、報告書が出ております。目を通していただければと思います。
○澁谷委員
北海道の日本脳炎の予防接種は今どんな状況になっているか、
○芳川室長補佐
こちらはちょっと、現状、把握していないという状況。
○岡部分科会長
国内の日本脳炎の疫学状況をお話しいただけますか。
○多屋参考人
毎年10人未満の患者発生数、昨年は11人。2015年に0歳の赤ちゃんが発症、後遺症が残っている。
○倉根参考人
豚の日本脳炎抗体が日本脳炎感染蚊の活性を示す、ほぼ関東以西は陽転。東北までは日本脳炎感染蚊の活動は見られます。
データとして出てこないが、ワクチンを接種していない小児でも、陽転が起こる。病気にならないだけである。脳炎になる率は比較的低い。日本脳炎になった方、ワクチン接種がない人が多い。発症は高齢者に多い。
○岡部分科会長
アジアにおける日本脳炎で何か御意見がありましたらお願いします。
○倉根参考人
WHOでは、天然痘が終わり、麻疹、風疹、ポリオをターゲット。日本脳炎も、次の段階に力を注いでいく方針、
○大石委員
昨年、10月ごろ、長崎県の対馬で4例発生、いずれも高齢者、 診断ができてない症例がたくさんあるのではないか。
○岡部分科会長
原因不明の髄膜炎が日本脳炎という報告は、
○多屋参考人
急性脳炎は全数届け出疾患、半分が病原体不明。日本脳炎の患者さんがまぎれ込んでいる可能性。届けられていない患者さんもいる可能性は否定できない
○岡部分科会長
脳症はインフルエンザがほとんど、半数ぐらいは原因不明。急性脳炎で原因不明の場合はぜひ地域の衛生研究所に連絡をいただいて、日本脳炎が含まれているかどうか、御協力をよろしくお願いします。
○館林委員
高齢者が多い、長い経過の中で、どれぐらい抗体価が下がるのか、
○多屋参考人
3歳から始まり、3歳で約6~7割、4歳で10ポイントぐらい上がって、5歳以上90%の抗体保有率は維持、40代、50代から抗体価の保有率が下がって。大人になってから、なかなか追加接種というのを受けていない人が多い、高齢の方、逆に、抗体保有率が高い、成・壮年期から抗体価が少し減衰。
○森委員
抗体価が壮年期において落ちているであれば、13歳までに追加接種をするという意味が少し理解し難い。ワクチン未接種の子供において脳炎を発症しない場合でも、抗体陽転者があったとなると、子供の場合、感染しても脳炎を発症する率が少ない、この点は如何でしょうか?
○倉根参考人
小児でなぜ余り出ないのか、感染蚊に吸血率が少ない、この病気自体が脳炎を発症する率はそれほど高いものではない、母数の問題等もある。
○三田村委員
小さいときにやったワクチン、抗体価がどうなっていくか、10代の方の接種が増え、厳密な副反応調査を続ける必要がある。重症ADEM症例をぜひ集計していただきたい。
○館林委員
高齢者が多い、高齢者になってからにしたらいいじゃんか。ADEMの方が15歳だったけれども、では大きくなって受けるとどこが違うのか、
○芳川室長補佐
昨年度までは当該年度18歳になられる方、対象年齢は20歳まで、18歳にならなくても、定期接種として実施していただくことは可能。
○岡部分科会長
日本脳炎の問題状況について、ワクチンをした場合のベネフィット、説明ができるようにという注文もついています。<②へ続く>