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2016年12月9日 第70回社会保障審議会介護保険部会 議事録

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000147597.html

1 介護保険制度の見直しに関する意見(案)について

○遠藤部会長 

前回の会議の後、いただきました御意見につき、私と部会長代理と事務局の三者で整理。

○鈴木(邦)委員 

現場で、サ高住が急にできても、事前に知ることもできないし、止めることもできない状況、平成28年度から市町村の意見を反映が始まった、改善が行われたのかどうか。 

○佐藤高齢者支援課長 

最後は補助金が交付されない形での効力は持つ。そういうふうに伺っております。

○花俣委員 

介護療養病床は老人保健施設などに転換して廃止、現在介護保険サービスの中で施設は特養と老健と療養病床の3つ、4番目の施設ができる。医療法人の新たな施設事業への参入を進め、大きな矛盾。

利用者の8割は在宅サービスに支えられている、初期の認知症の人の暮らしが崩壊しないように慎重な議論を求めたい。

○鈴木老人保健課長 

介護療養病床は平成29年度末に廃止、介護療養病床の機能を引き受け、生活施設としての機能も合わせた施設、介護保険法に位置づけ。 4番目になるも、経過措置で一定期間は存続、最終的には適切な対応をとっていきたい。

○井上(隆)委員 

社会保障全体でどうなっているのかがよく見えない。医療も含めて、そのあたりの総合的な議論をしていただきたい。

○岡委員 

利用者負担など、高齢者の負担増には踏み込み不足の感、現役世代に偏った負担が強いられる内容であり、大変残念。

 介護納付金の総報酬割は、応能負担の名のもと、被用者保険に肩代わり、も取りやすいところから取るやり方であると言わざるを得ません。

 医療や年金においても同様、社会保障改革全体のあり方として極めて大きな問題。結果として現役世代の負担増。

小手先の数字合わせではない抜本的な改革のあり方について国民全体で議論していくべき。

○鈴木(隆)委員 

予防対策、特に軽度認知障害の方々に対する発症遅延や予防対策の科学的根拠はかなり世界中でも蓄積、認知症予防対策、より一層の取り組みの強化を。

○武久委員 

介護保険では認知症があるかないかが非常に大きな要介護認定の要素、認知症に対する評価を入れていくのがいいのではないか。

 よくなって喜ぶ要介護者と喜ばない要介護者がある。要介護認定が軽くなると事業所のサービスは減るマイナス面があり。要介護4から要介護2になったら損をしたような雰囲気。抜本的なシステムの改革が要る。

 介護保険というのは要介護状態の改善に資することが大前提、要介護4だったのが要介護2になった途端に収入が減る。インセンティブが働くようなシステムに。

 普通にデイケア、デイサービス、訪問もやっていてショートもやって、さらにそこに小規模をつくるメリットは全くないのではないか、この辺の整理を。

 要介護認定の制度は非常に複雑、障害者を将来入れていくとなると、さらにこれを核として大きな改革を30年に期待したい。

○折茂参考人 

住み慣れた我が家、地域で住み続ける在宅復帰など、家庭での生活というのがもともとの介護保険制度の根本的な目標。そこに今回、介護保険制度の中に終生の施設を組み込む、これまでの介護保険制度の方針が変わったと思われかねない。

○鈴木老人保健課長 

現在の介護療養病床機能を引き継ぐ観点から。みとりを行っている割合も非常に高い、そういったところを勘案、

○馬袋委員 

人材育成、体系的に行われている事業所は非常に少ない、現場でOJT研修について積極的に支援して、不安のない働きがいのある職場づくりを通して人材の確保・育成というような内容の政策につなげていただきたい。

○齋藤(訓)委員 

ほとんどの方々は通院等で医療を受けながら介護保険サービスを受けています、在宅療養を続けていくためにはケアマネジャーがどのようにプランニングするかが非常に医療介護連携の鍵になる。

 ケアマネジャーが医師や看護師、リハビリ職等の医療職に相談ができ、助言を受けられる仕組みを制度や報酬、あるいは市町村事業の中で整備していくことも必要。 入退院時だけでは不足。

○清原参考人 

高齢化が極端に進んでいる自治体の場合、保険者の介護予防改善等の取り組みの成果が出にくい、調整交付金が削られてしまいかねない。

  三鷹市でも、国の掲げる地域包括ケアシステムの構築に向けて、医師会、歯科医師会、薬剤師会、市内の杏林大学医学部附属病院、地域包括支援センター等を初め、多職種の連携によりまして医療・介護連携の取り組みを進めています。

 介護保険制度とは別に一般会計で実施も多く、意識を高めるためにも、インセンティブ付与は極めて重要。そのための財源、「調整交付金とは別枠で確保するべきである」と考えます。

○小島参考人 

介護保険データの見える化、次期計画策定にはこのシステムが大きく活用される、 市町村は次期計画の中ではそういうことを導入しなければいけない。さらには、総合事業への移行、居宅介護事業所の指導監督を担わなければいけない。かなり事務負担増加が予想、早め早めの情報提供、丁寧な対応をしていただければ。

○栃本委員 

歴史研究にかかわる者として、 俗論とか、あやふやな議論、いずれ議事録や審議会資料などのマテリアルにより歴史研究者から判断される、事実に忠実に即し、歴史的経緯を踏まえた客観化した議論が望まれます。 

負担を考えない給付設計はあり得ない。サービス提供側や利用者側は、厳しく自覚するべき。

将来を展望しつつ議論するのが介護保険部会。新しい目、将来に生きていく内容がこの意見書には多く含まれています。 非常に厳しい財政的な制約の中で、負担部分にのみ着目されるが、新しい目、将来に生きていくような内容も数多く含まれています。厚生省の事務局の取りまとめに、大変深く感謝。

○花俣委員 

 軽減・悪化の防止という言葉には、病気や障害を持つ人に対してやや否定的な意味合いを含んでいるのではないかと懸念。2014年に日本が批准した障害者権利条約では、第5条の平等及び無差別、いかなる差別もなしに法律による平等の保護及び利益を受ける権利を有する。全ての障害者は他の者との平等を基礎として、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有する。

 権利条約の理念に沿った表現の修正も必要。

 軽減や悪化の防止という表現の妥当性については、今後の議論のテーマ。

○蒲原老健局長 

現場でこの介護保険の仕組みがきちんと生きていくということが大事、制度化した以外にもきちんと運用していくことが大事。

 幅広く介護保険にかかわっている皆さん方に現場の声を聞いてやっていきたいと思っています。

 これまでの会議におけるいろいろな御意見、本当にありがとうございました。<抜粋終了>