<①からの続き>

○遠藤部会長 

今度は利用者のお話。

○花俣委員 

 介護が必要な高齢者は独居、老老世帯がふえ、在宅サービスの利用者が8割超。ホームヘルパーの専門性を十分御理解いただけていないように思います。

 利用者さん宅に上がって掃除、洗濯、衣類の整理、ベッドメイク生活援助を単なる代行として見ている。

○齋藤(秀)委員 

事業者、経営者のマネジメントが力をつけていかないといけない。情報公表制度等々、優良事業者をふやしていく意味でも大事。

 外国人介護人材、定期的に検証する仕組みが大事。いろいろな懸念があることも事実、適宜適切に検証をする。

○佐野委員 

地域における独自性とか個別性の発揮と、事務システムのインフラ部分は用紙の様式も含めて、共通化、標準化、これは明確に切り分けて考えるべき。

 地方分権の時代だから、用紙の様式、共通化とか標準化もできないは明らかに本末転倒、介護事業者の方から見てもユーザー目線で考えても、標準化するのはごく当然。 大変失礼ですが、こういうことが論点にあること自体がちょっとおかしい。

○藤原委員 

目先の問題と将来の問題を考えるときにはどうかであります。圏域の中で物を解決するという考え方を持たない限り、大きな流動性を求めるのは地方では非常に困難。

○岡委員

訪問介護を担うヘルパー、専門性の高度化というキャリアパスといった方向性だけではなく、資格要件の緩和、裾野を広げていくことが必要。

 高齢者や女性でも働きやすい、記録書類の削減、電子化、助成金の申請手続の簡素化、人員配置基準の規制緩和などを望む声もございます。

○栃本委員 

家事、家政援助は一つの職業として。介護福祉士は介護福祉士として職業化をきちんとするほうが大切。

看護は都道府県のナースバンクで対応、介護人材に、潜在介護福祉士の発掘や登録、介護のイメージアップ、都道府県の介護福祉士会を支援して、体質強化を図る政策的視点がないといけない。

都道府県の介護福祉士会バックアップは必要。人材センターはお役所仕事になる。 

ICTによる共有化について看護と介護と医者の記載事項を見られることが必要。

ドイツではかかりつけ医が要介護の住人が暮らす老人ホームが施設に来ますが、そのかかりつけの書いたことや看護、介護、観察や記録が一目瞭然に見ることができます。きちんと今までやってこなかったということが問題なので、ICTをうまく活用するという発想を持たなければいけない。

ロボットの活用とかはいいも、介護支援性自立支援性という概念。 非常に重要なのは自立支援性に着目した機器の開発、そういう視点がないと、介護負担を省力化、軽減、間違った方向にいきます。自立支援性に着目した形での構想が絶対に必要。

 かつて先端リハビリ学会で会議、脳機能や脳活動の分析の心理学と理工学部などが合わさって、脳血管障害に対するリハビリの機器の開発。ロボットも高度なスマート化。ドイツではかなり前から医療パークで機材が導入。

○佐原老人保健課長 

 要介護認定の流れ

 市町村の認定調査員による認定調査及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定により、一次判定の案をつくります。 次に認定審査会により一次判定の結果の確定、主治医意見書あるいは認定調査員による特記事項に基づき二次判定を行っております。 この結果に基づき、市町村が申請者についての要介護認定を行うという流れ、この際には要介護度だけではなくて認定の有効期間についても判断。

有効期間は2種類、原則は6カ月ですが、3カ月から12カ月までさまざま。 

 1.は保険者等から要介護認定の事務、これは認定の調査と認定審査、主治医意見書等がありますが、これらが負担となっているという声があります。要介護認定事務の業務簡素化・効率化についてどう考えるか、また、どう進めていったらよいかということであります。

 2.は、制度創設以来、認定の有効期間の順次見直しを行ってきましたが、さらなる見直しの必要性についてどう考えるか。

 3.はその他、認定事務の業務簡素化・効率化のためにどのような方法が考えられるか。

○竹林介護保険計画課長 

介護保険適用除外施設における住所地特例の見直しについて

介護保険は、住民票のある市町村が保険者。

障害者の関係の施設、ハンセン病療養所、生活保護法救護施設、労災法施設にいる方は、退所後、前に居住されていた自治体が費用負担。

介護保険制度の目で見れば、入所前の直前の住所地は、障害者の施設の所在する市ですので、費用を負担する自治体に移るのが今の制度の基本的な考え方です。

全国市長会、全国町村会あるいは救護施設の全国の団体、地域移行を熱心に進められる予定の国立のぞみの園などから要望で、仕組みを改め、引き続きA市が費用負担する要望を受けています。

この取り扱いにつきまして、28年中に結論、当介護保険部会にボールが投げられています。

3つの観点。

 1つ目、福祉制度、生活保護制度のように居住地特例があって、入所前の自治体が費用負担している実態がある。

 2点目、施設からの退所者のうち介護保険施設等に移る方の割合が高い、今後そうなることが予想されるような場合。

 3点目、自治体や施設から具体的な見直しの要望をいただいている。

○佐原老人保健課長 

介護保険総合データベースの活用について

国民健康保険団体連合会を経由して収集された介護レセプトデータを国保連が匿名化した上で厚生労働省へ提出、現在、格納の件数は約5億件、もう一つ、要介護認定に関するデータは各市町村が要介護認定に用いた調査1,579の保険者のうちの1,361、約86% 約4,000万件。要介護認定の一次判定に関するもの、また、要介護認定の二次判定に関するもの等、 

 介護保険のレセプトは国保連合会を通じて匿名化した上で厚生労働省のデータベースに格納、特有のIDを振り出して、データを連結しています。

昨年の骨太の方針の中で「要介護認定率や一人当たり介護給付費の地域差について、高齢化の程度、介護予防活動の状況、サービスの利用動向や事業所の状況等を含め分析し、保険者である市区町村による給付費の適正化に向けた取組を一層促す」こととされております。

 このためには全国規模で保険者ごとの一人当たり給付費や要介護認定率を適切に比較が必要ですが、レセプト情報、要介護認定情報を含む介護DBを用いることが最適と考えます。

介護DBデータは、全数ではなくて86%、主傷病に関する情報が格納されていない。

介護DBのデータは、介護の質の向上や研究開発促進のために、データの一層の活用が求められている。

○土居委員 

要介護認定は画一的に行われるべきもの、地域によって違うということがないようにすることは必要。

主治医意見書を電子化が必要。第7期に間に合うようにお願いしたい。

介護保険総合データベースの活用は極めて今後の介護の質を高めていく上でも重要。できるだけ早期に有識者による審査などのルールを定めて第三者への提供を開始すべき。

要介護認定データを提出していない保険者がまだいる、これは強制的にでも出させるべき。 ただ、当然保険者の自発的な御協力がなければ始まりません、老健局は「送信喚起」をお願いしたい。このデータ収集は極めて重要、要介護認定の分析にも、医療介護の連結分析という観点でも漏れがあってはいけない。

医療と介護の連結分析、分析上の障害は名寄せができない。同じ患者、利用者が医療と介護では、両者が同一人物であるということがなかなか簡単には判明しない。

 保険者がかわった場合に、被保険者が移動後、過去のデータ等を名寄せできない、そういうこともないように通時的に名寄せができるようにするべき。

○折茂参考人 

介護保険はICIDH(国際障害分類)の視点に基づいた考え方でしたが、ICF(国際生活機能分類)という「できる能力」に視点をおいた考え方に世界的に変わってきている。利用者、障害者がどういうことをしているのか、どういうことができるのか、利用者本人の視点に合わせたデータを集めていく。

平成27年度の改定検証・研究事業「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」(松田晋哉班長)の成果等を踏まえ、しっかりとしたデータを集めて、介護DPC制度の検討につなげるのが一番かと思っています。

現在の要介護認定が、介護の手間という観点から要介護度が分けられております。利用者の状態像から、利用者が何をしているかという視点に立って、要介護度を抜本的に変える検討、これは時間が長期的にかかるが、始めるべき。

 そうすることで、今の一次判定、二次判定の問題等も大きな視野のなかで解決できるのではないか。

○桝田委員 

一次判定結果から二次判定に至る過程で、二次判定省略もある、更新申請の際に大きな変化がなければ二次判定は省略、市町村にとっては事務負担の軽減に役立つ。

主治医意見書は医師会のほうで省略できる場面がないか検討していただく。

医療と介護がトータルでつながったものを分析していく必要がある。いろいろな研究者のほうで分析を公表していただくという部分が重要。市町村だけでデータを持って動かすだけでは、なかなかデータ活用は進んでいかない、医療と介護の連結を含めて発展的に活用をお願いしたい。<③へ続く>