2016512日 第17回がん検診のあり方に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000127016.html

 


(1)報告事項
   ・がん対策推進協議会における今後の議論の進め方について
   ・がん対策加速化プランへの対応状況について
   ・がん対策推進協議会委員より提出された意見について
(2)がん検診に関する実施状況等調査結果について
(3)今後のがん検診に関する論点について
(4)がん検診受診率等に関するワーキンググループでの論点について
(5)その他

○大内座長 

がん対策加速化プランへの対応状況につき、第1点は受診率対策について具体的な対応が求められております。2点目は職域のがん検診について踏み込んだ議論を。

○斎藤構成員 

当初は個別目標として受診率が単独で挙げられていた、5年後から科学的根拠に基づく検診、精度管理も新たに受診率と同列の個別目標、精度管理というテーマも明確に据えていったほうが。

検診受診率精度管理は、我が国では別に扱われてきた経緯、

○大内座長 

市町村のがん検診と職域検診との連結管理、マイナンバー制度も含めて、これは全体のがん登録とも連結、国としてのがんの全体像が見えるような、米国であればSEERのデータでわかる、日本の場合はなかなか把握できていません。そういったことを前向きに行うべきかと。

○井上構成員 

医療情報などいろいろなものを実際に連結しようとすると、データが外に出る、会社の許可を得なければいけない、その辺を同時に整理整頓していったほうがいいのではないか。

○大内座長 

精度管理についてさらに深めていくということで意見は一致。

○事務局

  健康保険組合におけるがん検診の実施状況。組合数は1,406、回答が1,238組合、88.1%の回答率。

胃がんは56.6%、肺がん71.9%、大腸がん60.8%、被保険者よりも被扶養者の精検の受診率が高い。

検診項目、胃がんが、胃部エックス線検査(バリウム検査)、胃内視鏡検査(胃カメラ)、ヘリコバクターピロリ抗体検査、ペプシノゲン検査等、胃内視鏡検査は5060%台の組合が実施。肺がん、喀痰細胞診は市区町村のデータに比べると低い傾向。

大腸がんが、便潜血検査が8割台。内視鏡の検査を1割前後の組合が実施。

子宮頸がんは、子宮頸部の細胞診、自己採取が4割程度の組合で行われている。

乳がんは超音波検査が6~7割の組合が実施。

○白川構成員 

人間ドックに対して補助を出すという健保組合が非常に多いも、検診機関側のデータのフォーマットがばらばら。 フォーマットの統一とか電子化とかを進めないと、なかなか精緻な数字はつかめない。

○道永構成員 

日本医師会には日医総研があり、健康診断の標準フォーマットをつくり、今、検診会社と全部、いろいろと突き合わせをしている、今後はデータがきちんと、合わせられることになる。

○大内座長 

データの標準化、電子化も含めた標準フォーマットについて、現在、日医のほうでは日医総研として検診についてもつくっている、今後、これはワーキンググループのマターになろうかと思いますけれども、

○斎藤構成員 

 データが手に入るところをまとめようという試みが一番現実的ですが、同時にゴールを考えながらいかなくてはいけない。

○大内座長 

 やはり、検診の内容ですね。例えば胃がん検診に胃内視鏡検査が市町村ではまだかなり低いけれども、職域はかなり高い。肺がんは胸部CT検査もかなりされている。乳がんはエコー検査、7割ほどされている、

○大内座長 

新たな検診手法の導入、中身はどうか、精度管理チェック、市町村のがん検診のみならず職域も精度管理等について確認すべき、死亡率減少に結びつくような精度管理も含めて検討。

○白川構成員 

我々が今困っておりますのは、どのがんでどの検査手法がいいのかというガイドラインがない、

 がん検査やその検査数値についてもガイドラインでまとめていただくのが非常に有用と感じております。ぜひ、この検討会で御議論いただければ。

○事務局 

議論していく内容、5つ

1つ目、職域検診実態調査の結果・分析。

2つ目、職域におけるガイドラインのあり方。ガイドラインの策定に向けて。ガイドラインはどうあるべきか、どういうガイドラインにすべきかなどについて。

3つ目、指針以外の検診項目等の取り扱い。対象とするがん、指針以外の年齢まで広げたがん検診などについて。

4つ目、受診率向上に向けた取組の公表。今まで好事例などで受診率の向上施策などを公表した上で全体のボトムアップを図ります。

5つ目、ワーキンググループの検討結果を受けた取りまとめについて。

 ワーキンググループは検討項目が主に4点

 1つ目、精密検査受診率等の目標値、基本計画には受診率50%を目標、これに並び精検受診率にも目標値を考えるべきか、どのくらいが妥当であるか。

 2つ目、各市町村及び職域におけるがん検診受診率の比較可能な算定方法。果たして比較可能なデータなのか。計算式、公表の方法など。

 3つ目、公表方法。ホームページに掲載するのがいいのか、ほかにどういう方法があるか、がん検診の受診率を今後どのように管理。地域保健・健康増進事業報告や国民生活基礎調査などのデータ、市区町村間、職域の間での比較などの検討ができるか。

 4つ目、がん検診受診率等の評価指標。がん検診のあり方そのものに関する検討項目。基本計画の策定だけでなく、引き続き行う事項と今後行うべき検討の事項。

 がん対策加速化プランにも書かれている事項

 1つ目が、行動変容を起こすためのインセンティブ策及びディスインセンティブ策。

 2つ目が、効果が明らかでない検査項目等も明示したガイドラインの策定。

 3つ目が、都道府県、市町村及び保険者の協力のもと、特定健診との同時実施体制がとられている取組事例の収集、普及、推進。

 4つ目が、受診率向上施策の把握及び対策。

 それらに加えて今後検討する項目。

  がん種別・年代別の推奨グレード。年代またはがん種別でどのくらい推奨すべきなのかを明示したものを作成すべきか、また、そういったものができるかの議論をしていただければ。

がん検診における国際比較。各国の動きを踏まえた上での我が国におけるがん検診の現在の状況を客観的に見る指標、

 がん検診における過剰診断。見つける必要がないものを見つけることによるデメリット、今まではメリットが強調、検診をやることのデメリットなども含めた議論を加えた上での検討。

 がん検診の費用対効果。 <②へ続く>