<①からの続き>
○平野教授
最近の生活介護、デイサービス化している。来て預かっている。預かって、見ていく、その日その日の仕事になっている。危惧している。その人に対してプログラムを作って、長期的にどう変えていくのか。そういった意味でできていない。
今までは家族の支援があった。今は利用者本人の支援になって、家族の部分が抜け、家族が地域で暮らすことの難しさになっている。その辺りが弱くなってきた。
特に入浴は古い殻を背負っている。身障の養護や知的の更生、知的の通所授産が生活介護に来ている。もう少し地域を支える、地域生活の特性介護からプログラムを考えてほしい。
○沖倉教授
一人一人の利用者が、今なぜそれをやり、どこをゴールとして取り組んでいくか、計画化されているかどうか。
生活介護にお邪魔すると、集団中心、個別性を反映できない。 個別支援計画を作ったことがない人が、見よう見まねで作っている。レクリエーションなどで身体を動かしましょう、集団で音楽をかけて、クルクル回って、そういうところも幾つか。いかんともし難い状況。○野沢論説委員
生活介護は本当にいろいろ。見栄えの良い、外部一般の人に向けてのパフォーマンス。パンフレットも上手、職員がそういうことが上手、では利用者御本人の個別の支援はどうか、そうでもなかったり、見栄えは悪いけれども、利用者本人に対しては非常に良い支援、対人サービスができている所。家族や地域を巻き込みながら、本当の地域生活みたいなものを目指している所、非常に評価の難しい。
研究会や検討会などで、この辺りの評価の仕組みや人材育成、やはり本腰入れてやる時期。
○平野教授
今度の総合支援法の一つ、 3 障害の区分をなくした。重複障害の人に対して、谷間はない、重複障害も受け入れる素地を作ったプラス面。
重複障害の人たち、盲重複や聾重複が浮上、もう一つメッセージを出して。難病が入って谷間をなくしたであれば、こちらも重複で谷間の部分を手厚くしましたというメッセージも出していいのではないか。を一つお願いしたい。
○野沢論説委員
医療で言えば救急命班の期待を背負っている、収支を考えていたのでは、やる所がなくなってしまう。ここが一つあれば、本当に本人や家族にとって死活問題のときに救ってもらえる救急的な駆け込みの場所は必要、算定要件を広げてあげてはどうか。
先ほど言った袖ヶ浦の福祉センターでも、夜間は手薄、夜間が利用者も難しい局面があったり、対応できない。夜間に配置と報酬もシフトは当然考えていい。
○田中障害福祉課長
算定が難しい、加算でよろしいですか。
○野沢論説委員
90 %でないと駄目ですね。
○田中障害福祉課長 そうです。
○平野教授
50 %を超えてもかなり厳しい。 90 %だったら職員が持ちこたえられない。やはり緊急は欲しいですね。
○野沢論説委員
緊急は欲しいですよ。
○平野教授
一般的なショートステイを下げてもいいから緊急を上げてください。
○野沢論説委員
本当にそう思います。ショートはいろいろな目的で使われてしまっています。
○平野教授
レスパイト化している所もあります。
○田中障害福祉課長
常勤率が下がっている、何かコメントできることがあればお願いします。
○菅自立支援給付専門官
サービスごとの分析には至っておりません。
○野沢論説委員
新しく立ち上げている所が多い。小さな NPO とか。いろいろやり繰りしながらやっているのかなというのはうかがえる。
○平野教授
短期入所、利用者が一定していない、ニーズに応じて増やしたり、減ったりの反映でしょうね。
○野沢論説委員
事業としては難しそうですね。
○平野教授
そうですね。決まった固定客がいるわけではないですから。
○野沢論説委員
必要性は高い。ちょっと預かってほしい、各地域で作って運営、地域で暮らし続けるためにも必要。
施設入所は行動障害をきちんとやる、必須の要件にしていただきたい。入所施設の存在理由、そのためにある。中には行動障害は苦手、余り得意じゃないと言っている人には「何言ってんだ」、地域で生きにくい人たちのためにならなければ、何のためにやるのだ。そういう機能を担える、胸を張って存在理由をアピール、是非なっていただきたい。良い入所施設も幾つもある、是非、そういうところに導くような加算や報酬単価の設定をしていただきたい。
○平野教授
行動障害と重複障害の部分、施設入所支援で支えてほしい。総合支援法 26 年分で、刑余者、累犯障害者に対しても、今度は地域移行支援の対象、 性犯罪を犯した場合、元の地域に戻すことができない、施設入所せざるを得ない。でも、障害そのものは軽い。しっかりした指導をしないと、なかなか悪循環から抜け出せない、生活の面での指導は刑余者の人は必要。単純に、地域に戻せない、新しい地域を作っていかなければいけない、そういうところを考えてもらうのはすごく大事。
脊髄損傷、自分だけ病院に独り、落ち込んで。施設に行くと、自分と同じような脊損がたくさんいる、「あ、自分だけじゃないんだ」で「頑張らなければいけない」とやっている部分もある。 単純にケアだけではなく、グループワークは施設の持っているもう一つの意味。地域や障害者に対する機能を持てるような関わり、単純に預かっているのではなく、こういうことをやる、ここを担うというメッセージを出せるように取組を意図できるようなスタイルに。
○野沢論説委員
結構おもしろい運用。この前行った所は、二人部屋があって、今どきわざわざ二人部屋を作った、御夫婦で住んでいる。ずっと長年施設にいて、外に出て二人で新婚生活もなかなか難しく、カップルが出来たら、取りあえず施設の中に二人部屋を作って、そこで新婚生活をして、慣れてきたらグループホームに移って、更に独立、新しいものをやるのもいいと思った。
高齢になって、医療的なケアばかりどんどん加算、結局、入所施設が焼け太り。入所は減らし、できれば地域のほうに出ていってもらったほうがいい、地域に移行できそうな人は相当いる。そういう人を抱え込むのであれば、下げて、その代わりに本当に入所ならではの取組をきちんとできている所は増やす。そういうことができませんか。
○藤井障害保健福祉部長
基本はそういうこと。生活介護もそう、結局、しかるべきことを一生懸命やっていただいている所を、何某かの累計化をしつつ捉えて、そこに加算、報酬を引き上げる、ほかの皆さんもそっちへ行っていただける、そういう施策を打つために報酬。それが一つの報酬の体系の存在報酬の改定を考える意味。
そこをどういうふうに、ある程度の累計化をして抜き取っていくか、なかなか難しい。
<③へ続く>