なんてこった・・・
これが虫の知らせというものか。
高島先生、数年前に「お言葉ですが・・・別巻7」を出した後の情報が入ってこなかったので
今どうしてるのかなぁと昨日検索したばかりだったが
今日訃報が飛び込んできた。
色々ひっくるめて本を出す人を“作家”とすると
私が一番好きな作家は、迷うことなく高島俊男だ。
多分ほとんどの作品を買った(読んだ)んじゃないかな。
エッセイストというとちょっと軽い感じで嫌なんだが
言葉に関して高島先生ほど物知りな人を知らない。
私の知識のかなりの部分は高島先生の本から得たものだ。
清以前の中国の歴史への興味を深められたのも間違いなく高島先生のお陰。
知識人を気取った横柄な輩には、どんな権威を振りかざされても筆誅を下し
それでいて軽妙で、温かみのある面白い文章が大好きだった。
「本が好き、悪口言うのはもっと好き」
「ほめそやしたりクサしたり」
「三国志きらめく群像」
「本と中国と日本人と」
「中国の大盗族・完全版」・・・名著はまだまだいっぱいある。
ベストセラーとなった「お言葉ですが・・・」シリーズでは
文庫版⑥“イチレツランパン破裂して”が一番密度が濃いかな。
紛れもなく知の巨人ではあるが
そんな大袈裟な言い方はとても似合わない
痩せっぽちでちょっと気難しいけど全然敷居の高くない先生。
うん、私にとって高島俊男は先生なんだな。
私淑だけど、本当に私の先生だった。
高島先生、安らかに。