五つの赤い風船★おとぎばなし | key's music navi

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明日も今日の夢のつづきを

目の当たりの悲しみが無い今
危険な言葉にも うなづく危なさ
誰が動かされるの? 考えればすぐわかるやん

奴の顔つきは 明らかに変わった 怖っ
 

おとぎばなし/五つの赤い風船


パーソネル:西岡たかし(vo,g,vib,p...)
中川イサト(vo,g)
藤原秀子(vo,org)
長野隆(vo,b)
木田高介(vib,ds)
角田ひろ(ds)
谷野ひとし(b)

1. 私は深い海にしずんだ魚
2. 青い空の彼方から
3. 貝殻節
4. めし屋
5. 一滴の水
6. まぼろしのつばさと共に
7. 叫び
8. 時計
9. まるで洪水のように
10. 母の生れた街
11. おとぎばなしを聞きたいの
12. 唄

五つの赤い風船の2nd(1stは高田渡とのカップリングアルバム)「おとぎばなし」(1969年:URC)です。1966年に藤原秀子、中川イサト、西岡たかし等によって結成され、西岡のリーダーの下、1972年に解散するまで強烈な個性を放つグループとして注目されやがてその音楽性が伝説化していくのです。
フリージャズのセンスを感じる西岡のピアノだけをバッキングにして語られる①は、いきなり独特の世界に引きずり込まれ、古い時代の暗さを否応なしに感じさせられます。これと②③④も西岡による多重録音です。⑤は名手中川イサトの弾き語り、PPMを彷彿させるハーモニーが聴ける⑥、同じく卓越したハーモニーが印象的な⑨はともに反戦のメッセージが込められています。⑦は知る人ぞ知る伝説のヴォーカリスト長野隆(b)が自作曲で木田高介、谷野ひとし、角田ひろ等ジャックスのメンバーをバッキングにその実力を見せつけています。⑧もグループとしての魅力が詰まった美しく悲しげな作品です。堅めのドラミングから決心の強さのようなものを感じ取れる⑩に希望の光を託された気がします。そしてハイライトの⑪は反戦歌でありながら何かしらおだやかな気分になれるのは、ギター、ベース、多重ヴォーカルが生み出す浮遊感が演出するものなのか?・・・いやー名曲ですねー。ラストは藤原のオルガンにのせて切々と西岡独特の語り歌いを聴かせてくれます。ええ唄ですよー
こんな傑作 廃盤はないでしょ!! 

散歩しよう 君と二人で 遠い遠い海の向うまで

つらい事は忘れさせてよ おとぎ話を聞きたいの


波の中で泳いだボク達 深い深い海の底まで

ゆらぐ海の中の魚は まるで魔法のように


夢の中を歩いてみたけれど 幸福な世界はない

悲しい事が多すぎるこの世界 おとぎ話を聞きたいの


君の心に突き刺さる刃物は 悲しい戦争の炎

夢を今までこわされたボク達 おとぎ話を聞きたいの


海の底は青くゆらいで まるでカゲロウの様に

この涙がこの海にたまって このカゲロウを創ったのだろう

悲しい事はもういやな二人 おとぎ話を聞きたいの